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Channel: ゆうちゃんの日記
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イ・シンの評価 第20話

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朝のHR終了後、詳しく聞き出そうとするクラスメート達を避けるため、インがシンを教室から引きずり出し、そのまま逃走してしまった。
ファンとギョンも 1時間目が実習だったこともあり、そのままカメラ片手に教室を飛び出した。
人目の付かない場所まで移動して、インたちは歩みを止めた。

「クスクス、シンが一番最初に殻を破ったみたいだね。うん、いいね。親しみがあってさぁ」
「そうか?サンキュ」
「でもお前、あれはないだろ!?て言うかさぁ、チェギョンの見舞いに行って、何でそんな話になるんだ?」
「クククッ、昨日、インが謝りたがってるって話したら、チェギョン、キョトンとしたんだ。謝るのは自分の方だって」
「「「はぁ!?」」」
「電話で呼び出されたからと言って、ホイホイ行っちゃって、配慮が足りなかったって。乱暴だったけど、それだけインが好きなんだろうなって思ってたらしい」
「シン、お前、ちゃんと説明してくれたんだよな?」
「勿論した。話したこともあまりなく、手を繋いだこともキスしたこともない。ましてやそれ以上の行為なんて神に誓ってないって言ってたと説明した。そしたらチェギョン、ビックリしてさぁ。第一声が、『じゃあMサイズは誰と使ってたの?』だった」
「「ブハッ・・・」」
「アイツ、バカだろ・・・で、そこから何で、ゴム預かってくることになるんだよ!?」
「チェギョンがジフさんの親友がいる前で、『オッパ、聞いて!エムくん、あのMサイズ使ってなかったんだって』って報告したから・・・インじゃなくて、しっかりエムくんって呼んでたからね、あの天然娘」
「「ブハハハ・・・」やっぱりあの先生の娘だよね。可笑しすぎる~~~クククッ・・・」
「///あの女、ぶっ殺す!」
「ああ、因みに弟のチェジュンが、アジョシの部屋からも探して持ってきてたぞ。その光るやつ・・・光らせてどうすんだ?!って、また皆で爆笑」
「ダメだ・・・お腹痛い・・・」
「ファン、ちゃんと笑い過ぎてお腹が痛いと言わないとダメだ。俺もそう言ったら、チェギョンに胃薬渡されそうになった」

もう3人は、呼吸困難に陥るぐらい笑い転げてしまった。
その時、一人のクラスメートが、少し顔を強張らせて近づいてきた。

「カン・イン、一つ聞いていいか?」
「え、俺?いいけど?」
「俺、同じ学校だったから、チェギョンの事件知ってる。だから俺、あんた達4人がすっげぇ嫌いだった。あんな事件を起こした女と何食わぬ顔で付き合い続けてるカン・インやヒョリンを受け入れている殿下たちが、信じられなかった。さっきの話を聞いて、誤解は解けたけど一つ疑問が残った。カン・インの親が、事件を金で握りつぶしたのか?あの時、警察がいっぱい学校に来てたのに一切報道されなかった。ヒョリンと息子が付き合ってた事実を隠したいために親が金を使ったんだって、あの学校出身の奴は全員そう思ってる。校長もかん口令を敷いたし、校長にも金を握らせたんだって噂になってた。なぜカン・インの親は、事件をもみ消したんだ?これが、セレブのやり方なのか?チェギョンが可哀想だろうが・・・!」
「えっ、ちが、ゴメン、俺は何も分からない」

思いもよらない切り口で責められ、インは勿論、シン達も何も言い返せなかった。

『あんたら、さっきから煩い!喧嘩するなら、違う所でやって。俺、寝られないじゃん』
「「「「!!!」」」」

声のした方を見ると、近くの木陰でジフが寝ころんで、こっちを見ていた。

「ホント毎日毎日サボって、あんたら何やってんの?」
「・・・ジフさんこそ、何やってるんですか?」
「サボってるに決まってんじゃん。あのさぁ、物騒な話するなら、もっと人目気にしてやりなよ。そこに隠れてる子、盗み聞きしてないで出といでよ」

ジフとは反対の木の陰から、一人の男子生徒が出てきた。

「編入生のイ・ユルくんだよね?」
「・・・はい」
「「「「!!!」」」」
「シン、久しぶり。僕の事覚えてる?こんなつもりじゃなかったんだけど、出るに出れなくて・・・ゴメン」
「いや・・・元気だったか?」
「ああ・・・」
「何か鬱陶しい会話だね・・・仕方ない。全員、付いておいで」

ジフは、全員を引き連れて、裏門近くの勝手口から理事長室奥にある部屋に案内した。
そこは、豪華でかなり広いワンルームで、システムキッチンも付いていた。

「適当に座りなよ。ああ、ミネラルウォーターが冷蔵庫に入ってる。殿下、出してあげて」
「俺、パシりかよ・・・」

文句言いながらも 冷蔵庫に向かい、人数分のペットボトルを取り出した。

「クスクス、あの親父の一番弟子なんだからさぁ。殿下が一番弟子なら、俺らは?って聞いたら実験台って言ったんだぜ、あの鬼畜親父。まず身内で安全性を確かめてからでないと、他人様の大事な子にはさせられないだってさ。マジで殺意芽生えたね・・・」

さっきまで漂っていた緊張感は、ジフの醸し出す雰囲気で、どこかに消え失せた。

「じゃあ、全員が座ったところで、イ・ユル君はちょっと待っててね。こっちの問題を先に片付けるからさ」
「はい」
「キムくんって言うんだね?結論から言うね。カンコーポレーションは、何もしていない。事件を伏せたのは、チェギョンの家族というか一族だから」
「えっ!?」
「カン・インとのことはミン・ヒョリンの狂言だ。その狂言を信じたミン・ヒョリンのグループが暴行をした訳なんだけど、全く無関係むしろ被害者に近いカン・インの名前が報道されたら、世間はどう思う?≪実際は、関係があったんじゃない?≫って大半が思う。そうなると風評被害ってやつで、必然的にカンコーポレーションとその関連企業の株価は下がり、多くの社員やその家族が犠牲になる。それを食い止めたかったんだ」
「そうだったんですか・・・でも何で、理事長が知ってるんですか?」
「だって俺が止めたから。チェギョン、俺の従兄妹。。。」
「えっ!?で、でもチェギョン、俺らと一緒の公立に・・・」
「ああ、それね。俺が学生時代、セレブ学校で散々悪さしたからね。父親が普通の学校で普通の感覚を身につけさせるって、公立に入れちゃったんだよね。だから色眼鏡で見られないように俺達との関係も伏せてた。チェギョンは、特に父親のことを隠したかったみたいだけどね。クスクス」
「えっ、じゃあ・・・昨日の・・・」
「うん。あの変人が、チェギョンの父親」
「え~~~!!」
「・・・最初は被害者Aさんでも 被害者が特定したら元大統領の孫って報道されるからね。チェギョンを守りたかったんだ。納得してくれた?」
「はい」
「キム君、1つだけ言っておくね。例え犯罪まがいのことをしてても大企業の親は、権力で事実を握り潰し、金で解決する」
「・・・・・」
「今はね、君も理解できないと思う。俺らも学生時代、その事に凄く反発した。でも大人になって、やっと理解できるようになった。そうしないと、結局被害を被るのは、社員やその家族なんだよね。まぁ悪さしないように座敷牢に閉じ込めておけって話なんだけどさ。あとね、チェギョンは可哀想じゃないから・・・イン君にとっては完全に加害者だから」
「えっ!?」
「そこの二人、イン君を抑えてて。ミン・ヒョリンがね、チェギョンにMサイズの避妊具見せて≪この意味が分かるでしょ?≫って言ったらしいんだ。それをチェギョンは俺たちに暴露したんだ。だから、イン君は俺達仲間内ではMくんと呼ばれてる。チェギョンの頭の中では、完全にカン・エムくんに変換されてるから・・・クククッ」
「ブハッ・・・殿下がさっき話した話・・・やっと繋がった」
「キム・ハギュン、良かったな♪」
「良くないわ、ボケシン!お前、キャラ崩壊してっぞ!?」
「クククッ、でも俺ら的には、親しみがあって今の殿下の方が好きです。公務で、これはマズイとは思いますけどね」
「そこは、任せて。俺、これでも沈着冷静な皇太子って言われてるから♪」
「ブハッ・・・シン、自分で言うなよなぁ~」

納得したクラスメートのキム君は、先に教室へと戻って行った。
この会話を聞いていたユルは、呆然としていた。

(何なんだ?シンって、こんな奴だったか?)

「さて、待たせたね。イ・ユル君、殿下に話したいことあるんだろ?遠慮なく、どうぞ」

皆の視線が、一気にユルに集まった。



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