Quantcast
Channel: ゆうちゃんの日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 229

イ・シンの評価 第24話

$
0
0
(オッパ、もう疲れちゃったよ。役立たずと言われてもいいから、帰っていいかなぁ・・・)

チェギョンは、忙しいジフと母スンレのお使いで、とあるショッピングモールに来ていた。
指定された店にオッパのスーツをオーダーするだけなのに 門前払い状態のチェギョン。
少し気遅れしながら店内に入ったら、店員に胡散臭そうに見られ、先に来店していたどこかの令嬢に『この店も格が落ちたのね』と嫌味を言われ、即座に追い出されてしまった。

(確かに庶民の私には場違いだよ。学校帰りで制服だしさ。でも客は客なんだから、差をつけるなっつうの!社員教育がなってな~い!!ハァ、まだオンマのお使いもあるのに・・・)

チェギョンは、お嬢様の接客が終わるまで、店の前のベンチに座り、テイクアウトしたアイスティー片手にガンヒョンにLINEをして時間つぶしすることにした。

 『退屈・・・ガンヒョンも誘えば良かったよ~』
 ≪あんた、どこにいんのよ?≫
 『○×ショッピングモール』
 ≪有名ブランドがバンバン入ってる所でしょ?あんた、場違いだわね≫
 『だよね。オッパのお使いで来たんだけど、店員に門前払いされた』
 『客のお嬢様にも この店も格が落ちたものね って嫌味言われるし、もう帰りたい(泣)』
 ≪オッパの名前、出しなさいよ!≫
 『嫌だよ。目立つじゃん!』
 『でもさぁ、そのお嬢様に3人付いてんの。すぐ終わるんだし、せめて1人ぐらい私の話、聞いてほしいよね』
 ≪で、あんたは、どこで時間つぶしてるわけ?≫
 『店の前のベンチ。お嬢様の接客終わり待ち』
 ≪仕方ないわね。ちょっと待ってなさい≫

(やっぱりガンヒョンは優しいなぁ・・・ガンヒョンが来るまで、本でも読んでよっと・・・)

チェギョンの集中力は半端なく、本を開けると周りの雑音も気にならなくなり、チェウォンの書斎から拝借した本を読みふけり出した。


その数分後、黒服のSPを大勢引き連れたク・ジュンピョが、そのショッピングモールを怒りの形相で闊歩していた。
店前のベンチ近くにいるチェギョンを確認すると、ジュンピョは店内に入って行った。

『ひぃ、い、いらっしゃいませ』
「おい、どういうことだ?」
『あの・・・どういうこととは?』
「知り合いが行くから頼むと連絡したよな?ジフの連れだとも言った筈だ」
『はい、ですから今、神話の常務のお嬢様が試着をされておりますが・・・』
「はぁ?何だって!?」
『えっ!?違うのですか?お嬢様に ク副社長のご紹介の方でしょうか?とお伺いしましたら、≪はい≫と仰られたものですから・・・』
「その女を連れてこい!」

ジュンピョの怒鳴り声を聞いた令嬢は、顔面蒼白で採寸室から出てきた。

「お前は、ここで何をしているんだ?」
「は、はい。今度、行われます創立記念パーティーで着るドレスを選んでおりました」
「おい、お前、いつから俺の知り合いで、ジフのパートナーになったんだ?」
「も、申し訳ありません」
「お前らの所為で俺は、女子高生に『神話も偉くなったものね』って嫌味言われたんだぞ!」
「「「!!!」」」
「てめぇ、この店の格が落ちたって言ったらしいな?お前とこの店は、神話の名に傷をつけたが、この落とし前をどうつけてくれるんだ、あぁ!?」
「ひぃ・・・」
「それにお前達、3人がかりでこれなのか?まるで3流ホステスじゃねぇか・・・これがジフ好みだと思うなら終わりだな」
「「「・・・・」」」
「キム秘書・・・」
「はい」
「コイツの父親、飛ばせ。それとこの店は今月で撤退。新しいテナントを探せ」
『!!!!』
「かしこまりました」
「どこか知らねぇが片田舎で、ド派手に着飾ってパーティー出ろや」
「・・・副社長、数ブロック先のブティックを貸し切りました。SPがご案内します」
「おう・・・クククッ、アイツはどこでも呑気だな。アイツのSPが距離を空けて、どこかにいる筈だ。帰せ。帰りは俺が送って行く」
「かしこまりました」

ジュンピョが店を出て、先程追い返した女子高生に声を掛けるのを見た、従業員と令嬢は呆然と立ち尽くした。

「チェギョン、待たせたな?」
「へ?オッパだ~♪別にオッパ、待ってないし・・・ところで、オッパは何してんの?」
「ジフからチェギョンがここに来るって聞いたから、用が済んだらメシ誘おうと思って来たんだ。行こうぜ」
「待って、待って。私、まだ用が済んでないの。そこの店なんだけど・・・」
「あそこは止めておけ!センスが悪すぎる。ジフには俺から言うから、違う店行くぞ」
「いいのかな?じゃあ、お願いします。あ、あとね、オンマから韓服の店も頼まれてるの。そこにも寄っていい?」
「構わねぇよ。いくらでもお姫様のエスコートしてやるよ」
「ありがとう♪」

チェギョンとジュンピョが立ち去ると、店内にいた秘書は冷たく店員たちを見た。

「あの方だったから良かったものの、SNSにクレーム投稿されてもおかしくない事態でした。ソンヒョンの総帥令嬢に愚痴を溢されただけで済みましたので・・・あの方もユン・ジフさまの従兄妹、元大統領のお孫さまです」
「「「!!!」」」
「パク常務のお嬢さん、すぐに帰宅した方が宜しいかと・・・それから、今後こちらの店は、神話、ソンヒョン、ソングループの系列とは取引できないと思ってください。では、失礼いたします」

身の置き所が無くなった令嬢はそそくさと着替えて店内を出て行き、残った店員は、己の態度を反省し辞表を認めるのだった。

一方、チェギョンは、ジュンピョに連れてこられたブティックで、ジュンピョの着せ替え人形になり、最後に全身採寸をされ、解放された。

「オッパ、何なの、そのショッピングバッグの山は!?で、私の制服は?」
「ちゃんと包んでもらってあるから心配するな。これは、さっき試着したお前の服だな」
「えっ、試着しただけじゃなかったの?」
「な、わけないだろ!これら着て、俺らとデートしようぜ。制服だと、俺ら犯罪者みたいに見えるからな」
「クスッ、確かにそうかもね。でも良いの?」
「チェギョンは、俺らの可愛い妹だ。たまには、オッパ孝行だと思って甘えろって!ほら、次は韓服の店、行くんだろ?急がないと、店閉まるぞ」
「大変!オッパ急ごう」

チェギョンは、ジュンピョの腕に自分の腕をからませて、楽しそうに歩きだした。
大勢の黒服のSP達に囲まれた2人はショッピンモールを後にしたが、その異様な光景は周りの目を十分に惹いてしまった。
ショッピング客の数人が、写メを撮りSNSに投稿したのだ。

≪神話グループの若き後継者 可愛い女性とデート中≫

しかしながら、体格のいいSP達のお陰でチェギョンは隠れ、人物特定に至らなかったようだ。
後日、その事を知ったチェギョンが絶叫したのは、お約束みたいなもの。

だから、オッパ達と出かけるのは嫌なのよ~!!





Viewing all articles
Browse latest Browse all 229

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>