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Channel: ゆうちゃんの日記
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イ・シンの評価 第25話

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シンは、ユルと公用車に乗り、シン家があるユン邸に向かった。
2日連続訪問したシンは、どちらの家の玄関に向かえばいいのか迷ってしまった。

「シン、すごい家なんだけど?ここ、本当にチェギョンの家なの?」
「厳密にいえば、ユン元大統領の家と敷地。シン家は母屋と繋がった離れに住んでる。とりあえず正面のユン家に挨拶するか・・・」

ユン家のドアを開けると、リビングでジフが寝そべっているのが見えた。

「ジフさん、こんばんは。シン家にお邪魔しに来たんですが、一応、挨拶をと思いお伺いしました」
「いらっしゃい。どうせ繋がってるんだし、こっちから入りなよ。翊衛士の人も上がってもらって」
「いえ、それは・・・」
「殿下が遠慮したら、余計翊衛士の人が遠慮するじゃん。俺たちはシン家の方に移動するから、翊衛士の皆さんはここで待機・休憩してもらいなよ。シェフに飯も頼んでるからさ」
「色々ご配慮いただき、すいません」
「ダチのSP達は顔馴染だからさ、一緒の控室にできるけど、翊衛士はお互い気を使うだろ?だから気にすんな。爺さんはもう向こう言ってるから、遠慮なく入ってもらって」
「はい、ありがとうございます」

シンは、翊衛士たちに指示を出すと、ユルと一緒に渡り廊下に続くシン家を目指した。

「おお、いらっしゃい。お義父さん、義誠君さまのイ・ユル君です」
「よくいらっしゃいました。ユン・ソギョンです」
「ユル君、こっちはチェギョンの弟のチェジュン。今、中等部の3年」
「こんばんは、シン・チェジュンです。いつも姉がお世話になってます」
「いえ、こちらこそ。イ・ユルです。突然の訪問、すいません」
「もう少しで全部できるから、もうちょっと待ってな♪」

エプロンを付けたチェウォンが、チェジュンに手伝わせながら楽しそうに料理を再開し出した。

「あれ?ジフさん、チェギョンは?」
「いない。ちょっとお使い頼んだら、トラぶっちゃってさ。ジュンピョが後処理したんだけど、詫びで食事に連れてくって連絡来た」
「はぁ?また何で・・・」
「今度、神話の創立記念パーティーがあるんだよね。で、神話系列のショッピングモールに入ってる店にドレスを新調させに行ったんだ。でも店で門前払い食っちゃってさ。チェギョンも俺に言えばいいのに ガンヒョンに愚痴るから、ガンヒョン ジュンピョに嫌味の電話したみたいなんだ。ガンヒョンの事だし、『神話も偉くなったもんね』ぐらい言ってそうだよね。クスクス」
「あ~あ、その店、可哀想に潰れたね。ヒョン、お店ヌナの事だから完全な場違いな振る舞いだったと思うよ」
「チェジュン、客によって態度を変える店は一流じゃない。それは人も一緒。態度を変えるような奴は、絶対に信用したらダメ」
「クスクス、何だか納得しました。だから皆さん、シンがいても緊張しないんですね」
「えっ、坊主。緊張してほしかったか?」
「いえ、全然。むしろ、普通に接してもらって嬉しいです」
「ユル君、儂らは君の爺さんからの付き合いでな、皇族には慣れておる。特にあそこのバカ婿は、皇太后さまに添い寝してもらったこともあるらしいぞ」
「「えっ!?」」
「え、ダメだったか?親父、大学と宮の掛け持ちの上に研究だろ?母親いないし、親戚とは縁切ってるし、俺、今で言う放置児だったんだよな。で、不憫に思ったソンジョおじさんが俺を宮に連れ帰ってくれたんだ。王族にバレないよう静かにしてたけど、よく泊らせてもらった。さぁ、できた。メシにしよう」

食卓には、宮では見られない家庭料理がいっぱい並び、男6人の食事会が始まった。
男ならではのバカな話が飛び交い、笑っているのか食べているのか分からないぐらいシンとユルは笑った。

「ジフさん、チェギョンをパーティーに連れて行くんですか?」
「行くよ。なに?」
「あんまり連れ歩かないでください」
「クスッ、嫉妬?俺、従兄妹だよ!?」
「そうじゃなくて、大勢の男が見るでしょうが・・・俺でさえ、着飾ったチェギョン見たことないのに」
「クククッ、アジョシ、どうする?」
「・・・坊主、お前、眼科行った方が良いな。どんなに着飾ろうが俺の娘だよ!?誰も見ねぇよ」
「チェウォン、チェギョンは儂の娘のスンレ似で可愛いぞ」
「出た、親バカ・爺バカが・・・チェジュ~ン、その点、お前は俺に似てるもんな。いい男だぞ」
「・・・俺、親父に似てるって事だけは言われたくない」
「何でだよ?自慢しろよ」
「なら、自慢できる親になれよ!そうすりゃいくらでも自慢してやる」
「クスクス、チェジュン、それじゃアジョシじゃなくなる。変人で破天荒が、彼の持ち味だろ?」
「シンヒョン、一回親交換するか?俺、真面目な親、一回で良いから経験してみたいぞ」
「ん~ゴメン、止めとく!血管切れそうだ」
「「「ブハハハ・・・・」」」

笑いが治まったのを見計らって、ソギョンが口を開いた。

「殿下、来月皇太后さまの誕生日パーティーが開催されるようですな。今日、それに儂とジフとチェギョンが招待してほしいと打診がきてのぉ。チェギョンを連れて、行ってもよろしいかな?」
「えっ!?そうなんですか?是非、お越しください」
「ありがとうございます。で、そのパーティーに着る服も選びに行ったのですよ、チェギョンは・・・それにジフがパーティーに連れ出すことは、殿下にとってそう悪い事じゃない。肩書に弱い輩たちの牽制にもなりますから・・・」
「クソジジイ、余計な事を言うな!チェギョンは、何処にもやらんぞ!!」
「分かった、分かったから、もっと酒を飲め!」

ソギョンに酒を勧められ、酒の杯をあけるチェウォンは、ドンドン陽気になっていった。

「坊主、ユル~、成人したら一緒に酒を飲もうな~♪約束だぞ」
「親父、ご機嫌だな」
「当たり前だろ?この2人が仲良く、メシ食ってるんだぞ。きっと死んだ親父とソンジョおじさん、あの世で涙流して喜んでるぞ」

「アジョシ・・・」
「良かったな、親父。爺ちゃん、親父に報告されたらもっと喜ぶと思うぜ。ほら、連れてってやる」
「おう。チェジュン、ジフ、肩貸せ!」
「はい、はい。そうだ、これ。親父から預かってた。多分、飲みつぶれるの最初から分かってたみたいだね」

ジフは、先に預かっていた手紙をユルに渡すとチェウォンに肩を貸し、部屋に送って行った。

「すまんな、バカ婿で・・・」
「「いえ・・・」」
「破天荒だが、優しく情の厚い奴でな。倅夫婦が他界した時、誰よりも号泣して悲しんでくれたのはアイツだ。そして気落ちする儂と娘を支えてくれた。勿論、ジフの世話もアイツは率先してくれてな。突然、親友の忘れ形見の父親代わりにならせてくれと言って、妹のように思ってた娘にプロポーズしたんだ。娘が良いと言うまで手は出さないと言ってなぁ」
「「えっ!?」」
「神話学園なんぞ誰も参観なぞ行かんのにアイツは必ず参加してくれ、ジフが悪さをするたびに頭を下げてくれたのもチェウォンだ。破天荒過ぎて疲れる時もあるが、付き合ってみるとそう悪くはないぞ。ニヤッ」
「「はい!」」
「ハァ、布団敷いて転がしてきた。あの酔っ払い、チェジュンに『スンレ~♪』って抱きついて蹴られてた」
「チェジュンは?」
「部屋に戻った。勉強だろ?」
「あっ、勉強で思い出した。アジョシに僕の訓育をお願いしたかったんですが・・・」
「「ブハッ・・・」爺さん、ここにもチャレンジャーがいた」
「俺も一緒に習いたかったんですけど・・・?」
「クククッ、止めておけ!それにお前さんの身辺が落ち着かない限り、宮には行かんだろうよ。諦めた方が良い」
「ユル君、君はまだ気軽に出歩けるだろ?親父に言っておくから、宮以外で習えばいい。君も宮に行きづらいだろうしね」
「はい!」
「ズルイ・・・」
「クククッ、殿下は、変わっておるのぉ。あんな変人を慕うなんて、ひょっとして類友か!?」
「貴方も人のこと言えないでしょうが!!」
「クククッ、確かに・・・」
「あっ、帰ってきたみたい。叔母さんかな?」

しばらくすると、難しい顔をしたスンレと寝ているチェギョンを抱き上げたジュンピョが入ってきた。

「ゴメンナサイね、ジフ、代わってあげて」
「あっ、俺が代わります。部屋も知っていますから大丈夫です」
「プッ、じゃ任せた」

シンは、ジュンピョからチェギョンを受け取ると2階へと上がって行った。
ジュンピョの後ろに控えていたSPが大量のショップバッグを玄関先に置くと、ジュンピョは非礼を詫びて帰って行った。

「凄い・・・これ、全部チェギョンの?」
「多分、ジュンピョの詫びの印じゃないの?それより叔母さん、何かあった?」
「ん~、ちょっとね。あの人、もう寝ちゃったの?」
「うん、ご機嫌で寝てった」
「そう、ゴメンね。明日、ウォンオッパが起きてる時に一緒に相談するわ。ちょっとチェギョン、見てくるわね」

スンレが2階に上がって行くと、ジフとソギョンが顔を見合わせた。

「イ・ユル君、しばらく宮に近寄らないほうがいい」
「えっ!?」
「スンレ叔母さんが、アジョシに相談するなんて宮絡みしかないから・・・」
「!!!」



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