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Channel: ゆうちゃんの日記
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イ・シンの評価 第26話

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帰りの車で、ユルから異変を聞いたシンは、翌朝、挨拶の為正殿に向かう途中、コン内官に聞いた。

「スアム文化財団ですか?確か、来週末、スアム文化劇場で興行されているオペラ観劇の公務がございます」
「オペラ観劇?」
「はい。王族からの進言で、陛下が許可されました」
「・・・何を企んでいるんだ?本当、次から次から湧いてくるなぁ」

正殿の居間に入り、朝の挨拶をすますと、シンは口を開いた。

「来週末の公務の件ですが、どういう経緯なのかお教え願えませんでしょうか?」
「その事か・・・フゥ・・・最長老の話では、ペク王族が言いだしたそうだ。来週末よりスアム文化劇場で、本場のオペラ興行が開催されるそうだ。太子には、この機会に本物に触れていただこうと言われたら、反対できなかったと言っておった」
「・・・何か裏はありませんか?」
「裏とは?」
「昨日、スアム文化財団理事のユン・スンレさんが、難しい顔をして帰宅してきました。ジフさん達は、多分宮絡みのトラブルだと言っていたので・・・」
「・・・キム内官、ペク王族の考えは分かるか?」
「憶測でございますが、殿下より3歳年上のお嬢様がおられますので、観劇を通してお見合いを狙っているのではないでしょうか?久しぶりの殿下の公務で、報道陣も詰めかけると思われます」
「国民に知らせて、既成事実を作ろうとしておるということか・・・」
「・・・コン内官、こちらから同行する王族は依頼したのか?」
「いいえ、しておりませんし、するつもりもございません」
「なら、いい。同行を求められても断固として断われ」
「かしこまりました」
「多分、こちらが警戒しているので、スアム文化財団に圧力を掛けたのでしょう。キム内官、すまないがそのペク王族の娘の事を調べてくれ」
「かしこまりました」
「僕も学校でジフさんに詳しく聞いてきます。では、学校がありますので、お先に失礼します」

シンが、東宮殿に戻って行くと、皇太后と皇后は顔を見合わせ、フフと微笑みあった。

「いかがされましたか?」
「由々しき事態だが、シンが逞しくなったなぁと思ってのぉ。ついこの間まで、無気力だったのが嘘のようじゃ」
「クスッ、確かにあんなに生き生きしているのを見るのは、初めてではないでしょうか?」
「シン家所縁の者は皆個性派ぞろいの上、太子を特別扱いしないのが良いのでしょう」
「クスッ、あの人は、ネジが相当緩んだ家族だと言っておった。行くと、内容は教えてくれなんだが毎回面白い事があるようだったな」
「クククッ、少し聞きましたが、今で言う女子会の男性版のような宴だったようです。きっと今もそうなのでしょう。」
「だろうの。チェウォンはバカな振りをしておるが、頼りになる男じゃ。今回のことも任せておけば大丈夫だろう。しかし王族も阿呆よのぉ。スアムに圧をかけるとは・・・王族だけ時が止まっておるな」
「・・・神話とソングループの御曹司が、手を切りたい王族企業があると言っていたようです」
「良いではないか。能なしの王族はドンドン衰退していけば良い。お陰で、宮は浄化できるというものじゃ。そんなに思い詰めるでない」
「そうですね。流石、母上です」

陛下は、母のポジティブな考えを聞き、自分も見習わなければと思った。


シンと言えば、学校に着いたものの 流石に3日連続授業をサボって理事長室に行くのは憚られ、昼休みまで我慢しようと決めた。

(チェギョン、朝、ちゃんと起きたかなぁ?どっか歩いてないかなぁ・・・)

一方、チェギョンと言えば、ニコやかに登校してきたユルを出迎えていた。

「ユッルく~ん、おはよう。昨日、家に来てたんだってね。全然、知らなくってゴメンね」
「クスクス、おはよう。今日も朝から全開だね。チェギョン、抱きかかえられて帰ってきた時はビックリしたよ。人間、あそこまで熟睡できるものなんだって感心した」
「はは・・・一度寝ちゃうとなかなか起きないらしくって。ジュンピョオッパには悪いことしちゃった」
「今日も昼休み、シンに会うの?」
「ううん、会わないよ。約束してないもの」

(クスクス、シン、相当 頑張らなきゃいけないみたいだよ)


4時間目終了直後、ジフから≪全員集合≫だけのメールが入り、チェギョンはガックリと肩を落としながら、ガンヒョンにメールを見せた。

「ガンヒョン、この全員集合ってユル君も入ると思う?」
「相変わらず面倒臭がりだね、あんたの従兄妹。でも私とあんただけなら、≪2人で来い≫って送ってくるんじゃない?」
「あ、そうだよね。ユル君も誘ってくる」

チェギョンがパタパタとユルの元に駆け寄るのを ガンヒョンは笑って見ていた。

3人が理事長室に入ると、すでにシン達が来ていて、チェギョンは驚いてしまった。

「あれ?シン君達もオッパに呼ばれたの?」
「「「「へ?」」」あのチェギョン?昼休みは、ここでシンと弁当食べるんだろ?」
「えっ、毎日だったの?昨日、約束しなかったから違うと思ってた」
「・・・チェギョン、俺が学校にきてる時は、毎日食べような。約束だぞ?」
「うん、約束ね。分かった」
「「「プクククッ・・・」」」
「お前ら、笑うな!で、チェギョンはジフさんに呼ばれたわけ?」
「そうなのよ。なのに何でオッパいないわけ?」
「時間ないから、お弁当食べながら待ちましょうよ。あの気まぐれ猫に合わせてたら、5時間目に間に合わなくなるわよ」

ガンヒョンの号令で食事を始めてすぐ、ジフが顔を出した。

「オッパ、遅い!≪全員集合≫って、もう何なの?」
「うん。先に弁当、食べなよ。話はあとね。食後の飲み物、用意してあげる。コーヒー?紅茶?」

皆のリクエストに応えた飲み物を食後に合わせて出すと、ジフは少し席を外した。
そして戻ってきた時にはブランケットを手にしており、寝ているチェギョンにフワッとかけてやった。

「・・・オッパ、まさかとは思うけど、チェギョンに薬盛った?」
「うん。でも軽いもんだよ。1時間ぐらいで目が覚めると思う」
「ハァ、チェギョンに聞かせたくない話でもあるわけ?」
「ご名答。これ見てくれる?」

ジフは持ってきたタブレットを操作すると、みんなにある画像を見せた。

「オッパ、これって・・・」
「昨日、撮られて、もう結構拡散してる。今、ジュンピョと対応を話し合ってきた。幸い顔は分かんないし、静観する方向で決まった。でも万が一に備えて、ガンヒョン、ユル君、お願いね」
「「分かった」はい」
「それからイ・ユル君、今、何処に住んでるの?違うか・・・誰が手配した所に住んでるの?」
「あっ・・・」
「親父は皇族に甘いからね。でも俺は、まだ信用できない。そのどっちつかず止めてくれない?」
「・・・はい。すぐに信頼できる人に頼んで、すぐに引っ越します」
「君の信頼できる人は、俺たちにとって未知数なんだけど?これ、マンションの鍵」
「えっ!?」
「俺んちでも良いけど、チェギョンがいるからね。変な噂立っても困る。そのマンションは俺所有で、チェギョンの勉強部屋だったところ。家庭教師をそこに呼んでたんだ。うちは、むやみやたらに人を入れられない家なんでね。今日から使えるようにしてきた。そこ、使いな」
「ありがとうございます」
「今のマンションの鍵、貸して。放課後までに荷物すべて運び終えとくから・・・」
「何から何まで・・・」
「気にしないで。完全に気配を消す方が良いからね。そうなると、ここに現れる可能性が出る。殿下、翊衛士に気をつけるように言って」
「はい」
「それからリュ・ファン君。君の家の近所だから、一緒に登下校してあげて。流石に皇族をSPなしで行動させられないから・・・付けてないなら言って。こっちで手配する」
「いえ、大丈夫です。帰宅後のSPはどうしますか?」
「うん。外出しなければ大丈夫。セキュリティー万全だから・・・あとイン君、シン家が昔住んでた家、分かる?」
「はい、分かりますけど?」
「君の親父さんに頼んでいいから、メンテお願いできない?」
「それは、良いですけど・・・」
「アジョシ、まだあそこのローン払ってるんだよ。朽ちないか気にしてるんだけど、監視されてる危険性があるから近づけない。だから全く関係のない君の家に頼みたいんだ。親父さんにお願いしてくれない?」
「分かりました。即OKが出ると思います」
「じゃ、出たら鍵渡すね。ん~っと、殿下、怒らないで聞いてよ」
「はい?」
「この部屋出た所に段ボールあるから、持って帰って」
「段ボール?中身は何なんですか?」
「服」
「ふく?洋服ってことですか?」
「うん。ジュンピョがさぁ、若いのにセンスなさ過ぎって、さっき渡された。アイツ、センス良いけど派手だから、一応俺の服も足しておいたから、持って帰って。どっちもサイズは合うと思うからさ」
「「「クククッ・・・・」」」
「お前ら、覚えとけよ!ジフさん、ジュンピョさんにお礼を言っておいてください」
「分かった。ユル君には、あと2人のダチの服、マンションに送っておいたから使って。俺の話は以上だから・・・」
「あのぉ、俺は?」
「ん?チャン・ギョン君?君は~、お願いだから、ガンヒョンに迷惑かけないで。一番、難しそうだけど・・・」
「「「ブハッ・・・」」」
「そんなぁ~~」





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