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Channel: ゆうちゃんの日記
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イ・シンの評価 第30話

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4時間目終了直後

クラスメートの諸君!俺たち4人は、これから美術科の女生徒と中庭デビューしてきます。どうか温かい目で見て、応援してください

『ガンバレ~~!健闘を祈る』
『殿下、ファイティン!!』

クラスメート全員に応援され、恥ずかしい想いをしたシン達は、調子に乗っているギョンを放って、先に中庭に向かった。

「アイツ、埋めてやりたい。恥ずかしすぎる・・・」
「ホント・・・クラスの盛り上げ役にはピッタリなんだけど、あれじゃ女の子はドン引きだよね」
「まぁまぁ、ギョンのお陰で、堂々と青空の下でチェギョンと話せるんだ。シンは、少しだけ感謝してやれ」
「クスッ、ああ・・・」
お~い、シン~、ファン~、イン~、待ってくれ~!俺を置いて行くな~~!!
「シン、訂正する。感謝する必要はない」
「当然だ」

中庭に出ると、すでに美術科の4人は来ており、木陰で座って喋っていた。
シンは、何食わぬ顔でチェギョンの横に座った。
少し揉めながらも皆が座ると、弁当を広げながら、ファンが口を開いた。

「ヒスンとスニョンだっけ?僕は、リュ・ファン。で、あっちがカン・インね。よろしくね」
「は、はい。宜しくお願いします」
「よろしくでござる」
「「「は?」」」
「ああ、気にしないで。ヒスン、ちょっと時代劇に凝ってるから、語尾がおかしいの。スルーしてやって」
「え~~、そうだったの?知らなかった。それならユル君に聞けば詳しいと思うわよ」
「へ?何で?」
「チェギョン、ごめん。ホント悪かったよ。だから過去の話、しないでください・・・」
「プククク、ユル、チェギョンにも相当酷い言葉投げかけたみたいだな」
「シン、お前まで言うな!ホント悪かったって、反省してるから・・・」
「「????」」
「ヒスン、スニョン、黙っててごめんね。僕、シンの従兄弟なんだ。で、チェギョンは恩師の孫。昔、会ったことがあるんだ」
「「え~~~!!」」
「あんた達、煩い!!」
「チェギョン、お前の友達、賑やかだな。いつも楽しそうにしてた理由が分かったよ」
「へへへ・・・」
「もう誤魔化さないでよ。チェギョンは、殿下とも昔会ったことがあるの?」
「う、うん。よく遊んだかな?」
「何で教えてくれなかったのよ~!?」
「クククッ、チェギョン、小さい頃、俺の事『チン君』って呼んでたんだよ。で、中国人と勘違いしてたわけ。この間、俺って分かったんだよな?」
「チェギョンは、小さい頃からボケかましていたでござるか。殿下、よく友達でいたでござるな」
「・・・俺、初等部に入るまで宮からほとんど出してもらえなかったんだ。だから、チェギョンが唯一の友達だったんだ。チェギョンもおじい様が亡くなったら、会えなくなったしな」
「へぇ~、寂しかったですか?」
「ヒスン!いい加減にしなさい」
「クスッ、いいよ。寂しいと考える暇もないほど勉強させられた。平たく言えば、英才教育ってやつか?ファン、イン、お前もやったろ?」
「シン、俺も入れろよ!」
「ギョン、俺が聞いてやるよ。やってねぇだろ?」
「イン、ひっでぇ~」

同年代の男女が混じって笑いあう事が、シンにとって初めてのことで、何だか嬉しかった。

(何か、俺、高校生してるよな?)

「英才教育なら、チェギョンも本格的だったわよね?」
「そうかなぁ?結構、中途半端だよ」
「ジフさんに聞いたが、俺は凄いと思ったけど?」
「どこが?漢字、北京語読みしかできないんだよ?!」
「チェギョン、それだけでも凄い事だよ。ねぇ、ヒスン?」
「うん、うん」
「チェギョン、でも内容は理解できてるんだろ?」
「それは、できるけど・・・オッパ、見合い、引っ張ってから断わればよかったのに・・・」
「それ!その話、詳しく聞きたかったのよ。オッパの見合い話。気が付いたらいなかったって、どんな話ししたのよ」
「あのね・・・」


『私、美術に興味があって・・・ジフさんも文化財団に席を置かれていらっしゃるからお好きなのでしょう?』
「そうなんですか?残念ながら、僕は音楽担当で、美術関係は叔母の担当なんです。良かったら、チェギョンが美術館案内しますよ。僕より詳しいですから」
「え~、でも今は絵画じゃなく、陶器や磁器の展示がメインかも・・・それでも良かったらご案内しましょうか?」
『いえ、私はどちらかと言うと絵を描く方が好きで・・・下手の横好きですけど』
「わぁ、じゃあ私と一緒ですね。今度、一緒に描きましょうよ」
「うん、そうしなよ。チェギョン、こう見えても2年前に学生の絵画コンクールで特別賞受賞してるんですよ」
『そ、そうなんですか・・・では機会があったら是非』
「はい!楽しみにしていますね」
『では、時間のある時はどんなことをしておられるのですか?』
「そうですねぇ・・・チェギョンの語学の勉強を見てやったり、従兄妹たちと愛読書の討論していますね」
「うん、うん。外国語って本当に難しいですよね?」
『そうよね。ジフさんに代わって、私が教えてあげましょうか?私、こう見えても得意なの』
「本当ですか?じゃあ、漢字教えてもらえますか?北京語読みはできるんですけど、ハングル読みができなくて・・・」
『か、漢字?』
「チェギョン、どうせならスペイン語を教えてもらいなよ。英語、フランス語、北京語はできるんだから、あとスペイン語を覚えれば、世界中どこでも通用するからさ」
「そうなの?じゃあオンニ、スペイン語お願いします。時間はオンニに合わせますね。連絡待ってます」
『え、ええ。ところで、従兄妹で同じ本を読むなんて仲が良いんですね。何を読んで、批評してるのかしら?』
「この間は、儒教の本でしたね。結構、3人でやりあいましたね」
「ああ、そうだった。儒教の本に≪心が綺麗な人は、姿かたちも美しい≫ってあるでしょ?その事で結構激しく言い合っちゃいました」
「本来なら、美しくなるために心を美しくしなさいという教えの筈なのに 心美しく見せるために整形をするなんて愚の骨頂だと僕は思うんです」
「でも コンプレックスで外出できない人が、整形して自信につながるなら、私はOKだと思う」
「だからと言って、原形を留めないぐらい変えるのはどうかと思うけど?」
「美しくなりたいって、乙女心だってばぁ」
「でもその乙女と結婚して、整形前の顔に似た子が出てきたらどうする?それが原因で、離婚する事例も多々聞くけど?」
「心、狭すぎでしょ。それに気づかなかった男もどうかと思うけど?」
「じゃ、俺、大丈夫かも・・・一応、外科医だからメスが入ってたら絶対に分かる」
「げっ、何でダメなのよ?」
「医者仲間に アイツの嫁さん、整形だよなって蔭で言われてたら我慢できないじゃん。俺のプライドが許さない。それに自分の子どもがその事でイジメに遭ったらどうする?俺は、そんな危険が伴う結婚はしたくないね」
「はぁ・・・確かに自分の子どもには、胸を張って自慢してほしいかもね。したことないけど・・・」
「クククッ、チェギョンも整形するか?」
「整形よりもできれば、血を入れ替えたい」
「バカだなぁ。血を入れ替えても遺伝子は変わらないって、死ぬまで一緒」


「って、ここまで話したら、オンニが化粧室に行って、そのまま戻ってこなかった」
「ブハッ・・・チェギョン、見合いをやんわり断ったって言ってたけど、めちゃくちゃ辛辣に断わってるじゃないか」
「シン、どういうことだ?」
「その見合い相手、全身整形してるって言ってた」
「「「「ブハッ・・・」」」」
「チェギョン、信じられない。全然気づかなかったの?」
「うん、全く。すんごい綺麗な人だったのよ。オンニに悪いことしちゃったよね?」
「良いんじゃない?外見で近づいて、後で性格の悪さに気づいて後悔するよりは、早く気付いてよかったのよ。それに悪いのはオッパだし、あんたはオッパに見事に話を誘導されただけ」
「でもチェギョンが天然で悪意がないの私らは分かってるけど、知らない人なら相当底意地の悪い女に見えるかも・・・逆恨みされてそう。気をつけた方が良いわよ」
「えっ、ウソ・・・そうなんだ。私、もっと気配りできるよう気をつけるね」

(ちょっと違う気もするが、まぁいいか・・・ちょっと凹んでるか?)

「チェギョン、折角だから少し散歩しようか。おいで」
「・・・うん」

シンが手を差し伸べると、チェギョンはシンの手を取って、そのまま手を繋いだまま、奥の林の中に入って行った。

「スニョン、いい加減にしなさいよ!チェギョン、凹んじゃったでしょうが・・・あの子の事だから、目をキラキラさせて話してるから、余程のバカじゃない限り、悪意がないのは分かるわよ。殿下が、気を利かせて連れ出してくれて良かったわ」
「そう、それよ!ちょっと2人、手を繋いでいたでござるよ。ガンヒョン、どうなってるでござるか?」
「ヒスン、いくら気になってもチェギョンに聞いたり、ファンサイトに投稿とかダメだからね。宮を敵に回すわよ。ユル君のこともお口チャックよ」
「ガンヒョン、ありがと。でもさっきの話、その女性に恨み買ってるかもね。僕たちも気を引き締めた方が良いかも・・・」
「その辺りは、オッパが手配済みだと思う。私達は学校だけしっかり守ればいいだけよ」

2人が消えていった光景をガンヒョン達だけでなく、映像科のクラスメートも窓から本当に見守っていた。

『おお、殿下、初対面で2ショットに持ち込むなんて・・・すげぇ~!』
『やっぱモテる男は違うねぇ~』
『俺、殿下に軽く嫉妬するかも~』

シンは、背中にゾクリと悪寒が走ったとか、走らなかったとか・・・


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