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Channel: ゆうちゃんの日記
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選択 第40話

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イジョンの家のリムジンで、公用車数台を引き連れ、シンとチェギョンと皇后は、神話の邸へとやって来た。
初めて訪れた皇后は、余りの豪華さに驚いてしまった。
 
「皇后さま、バカデカくて趣味の悪い家でしょ。こんなに大きな邸なのに家の者は、半年以上海外って勿体ないと思いません?」
「半年以上も空き家という事ですか?」
「大勢の使用人だけが住んでます。さあ、中に入りましょう」
 
チェギョンの案内で、邸の中に入った一行は、大勢の使用人に出迎えられた。
 
「チェギョンさま、イジョンさま、いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
 
イジョンは挨拶することなく、勝手知ったる邸の奥へと入っていった。
 
「ハルモニ、ご無沙汰しております。紹介しますね。皇后さまと皇太子殿下です」
「ようこそいらっしゃいました。皆さま、すでに準備してお待ちでございます」
「ありがとう」
 
皇后とシンの手を引っ張って、チェギョンは大勢の翊衛士を従えて、サロンへと向かった。
サロンには、高校生から大学生までの男子学生が楽な服装で寛いでいた。
中でも中央のソファーにどっかりと座った青年が放つオーラに シンは圧倒された。
 
「オッパ達~、久しぶり~♪」
『チェギョン!!』
「チェギョン、突然呼び出すんじゃねぇ!少しは俺の都合も考えろ!」
「ふふふ、でもお蔭でオンニに会えたんだから良いじゃない」
「///まぁな・・・」
「で、いつ戻るの?」
「会議に間に合うように明日の早朝には出国する。で、俺たちを呼び出した用件は、何だ?」
「うん。シン君を鍛えてあげてほしいの。バスケなんてどう?」
『はぁ~~!?』
 
全員があきれ返る中、チェギョン一人がニコニコと笑っていた。
 
「たったそれだけの為に 俺はマカオから帰ってきたのか?!」
「へへへ・・・だってシン君、人と交って球技とかしたことなさそうでしょ?ジュンピョだってチームプレイを覚えた方が良いと思ったし・・・」
「チェギョン、てめぇ~!!」
 
青筋を立ててジュンピョは怒りだしたが、他のメンバーは大爆笑だった。
 
「てめぇら、笑うんじゃねぇ~!!チェギョン、俺だけ呼び捨てにしやがって・・・ちょっとこっちに来い」
「うん」
 
チェギョンがジュンピョの元に向かうと、ジュンピョはチェギョンを軽々と抱き上げた。
 
「相変わらず、ちっせえな。あんま無理すんな。たまには俺も頼れ。いつでもどこからでも駆け付けてやるから」
「うん、ありがとう」
「皇后さま、ようこそ当家にお越しくださいました。神話のク・ジュンピョでございます。仕事が忙しくほとんど居りませんが、エステルームや映画シアターなどもございます。気分転換にいつでも当家をお利用ください」
「ミンです。ありがとう」
「ジュンピョ、シン君も良いんでしょ?」
「当たり前だ。チェギョンのダチは、俺らの可愛い弟分だ。殿下、プライベートはシンと呼ばせてもらうぞ」
「は、はい」
「チェギョン、そろそろ皇后さまと行け。アイツ、さっきからプールで準備してんぞ」
「うん、行ってくる。皇后さま、行きましょう」
 
チェギョンが皇后さまと腕を組んでサロンを出ていくと、ウビンが動き出した。
 
「翊衛士さんたち、この邸はセキュリティーは完璧です。警護は要りません。トレーニングジムに案内します。こちらにどうぞ」
『えっ!?』
「チェギョンがあなた方を連れて来たのは、感想を聞きたいためです。ここには、年に1回使うか使わないかなのに最新のトレーニングマシーンが置いてあるんです。遠慮なく使って、汗を流してください」
『はい』
 
ウビンが翊衛士たちを連れて出ると、残りのメンバーが移動しだした。
 
「さぁ、俺たちもバスケしようぜ。シン、本当に球技したことがないのか?」
「球技というより体育は見学ですので、宮で武道とフェンシングを習うぐらいです」
「げっ、俺らと同じか・・・じゃ、今日は基礎からな。上達したら、一緒にゲームしようぜ」
「はい!」
「シン、この家にあるものは何でも好きに使え。但し、ヘリとジェットだけは事前に連絡くれ。車やバイクは屋敷内ならいいが、免許取るまでは外には出るな」
「えっ、そ、それは使うことはないかと・・・」
「そうか?まぁ、いいか・・・」
 
2時間ほどメンバーとボールを追いかけたら、シンは皆と完全に打ち解けていた。
何よりメンバーたち全員が、シンを皇太子ではなくイ・シンとして扱ってくれ、とても居心地が良かった。
 
「皆さんは、どういう繋がりなんですか?」
「俺とイジョン、ウビン以外は、チェギョンの為に集められた精鋭部隊。俺らは、チェギョンを通して知り合った。アイツの交友関係は広すぎて、俺らでも把握できない。アイツには、借りばかり増える」
「ジュンピョさんもですか?俺もです」
「クククッ、シン、ジュンピョ以上の借りはできないから。コイツ、小学生のガキにお膳立てしてもらってチェリー卒業したんだぜ」
「///イジョン!!」
 
メンバーたちが腹を抱えて大爆笑の中、ジュンピョだけは真っ赤になって怒鳴る。
最初は我慢していたシンだが、我慢ができなくなって気づけば一緒になってお腹を抱えて笑っていた。
 
(面白すぎる・・・天下の神話グループの次期総裁が・・・腹痛ぇ~)
 
 
全員で大浴場で汗を流し、ウビンや翊衛士達と合流した後、最初のサロンに戻ると、皇后とチェギョンが一人の女性とケーキを食べていた。
 
「お疲れ~♪シン君、どうだった?」
「何もかも初めての経験で、こんなに楽しかったのは生まれて初めてだ」
「楽しんでくれて良かった~♪これから、ジュンピョが帰国した時は、時間が許す限り全員集合だからね。シン君もそのつもりで」
「本当か?チェギョン、連れて来てくれてサンキュ」
 
和やかな空気が、突然変わった。
 
「チェギョン、そろそろ俺らを呼び出した本当の理由を教えてもらおうか・・・」
 
 

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