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Channel: ゆうちゃんの日記
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心の扉 14

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翌日、チェギョンは、両親にヒョリンの母親を任せて、学校へと向かった。
心配で仕方なかったが、傍にいても自分にできることは何もない。
なら、学生らしく学校に通う事が自分にできることだと言い聞かせ、学校に来たのだった。

「みっなさ~ん、おっはよ~♪」
『チェギョン、おはよう~♪』

いつも通り、元気に挨拶をしたチェギョンは、自分の席に向かった。

「チェギョン、おはよ」
「おはよう、ガンヒョン」
「聞いたわよ。とうとう押し切られちゃったみたいね」
「えっ!?あっ・・・そ、そうなのよ。完全に忘れてた。ヤバッ、それもあったのね」
「ちょっとチェギョン、それもあったってどういう事?ひょっとして無理やりでチェギョンの本心は拒否してるって事?」
「ち、違うから!ガンヒョン、落ち着いて」
「違うなら良いけど・・・後で、ちゃんと説明しなさいよ」
「うん。。。。あ~~、思い出した!ガンヒョンあんた、グルだったそうね。何年、私を嵌めてんのよ!?聞いた時、卒倒しそうだったわよ。通りでおかしいと思ったのよ。お爺ちゃんの家庭教師と訳分かんない勉強ばっかりなんだもん」
「ああ、その事。私からしたら、今まで気づかないあんたの方がビックリよ。アンタの所為で、私まで勉強させられたんだからね。王族の娘でも普通あそこまで勉強しないから・・・」
「げっ、マジですか・・・」
「マジです。もう完璧に仕上がってるって、おじい様が太鼓判押してたわよ」
「・・・ガンヒョン、褒めてもらってるのは分かるけど、全然嬉しくないのは私の性格が悪いせい?」
「チェギョ~ン、貴女は素直で良い子よ。その素直さが貴女の魅力なんだからね(汗)。そのまま変わらすにいたらいいのよ」
否!もう騙されるなんて絶対に嫌!これからはクレバーな女になってやる~~!!

チェギョンの絶叫にクラス中の生徒が振り向いたが、チェギョン=クレバーが想像つかない皆は大爆笑したのだった。

「な、何?ガンヒョン、皆どうしたの?」
「クスクス、チェギョンは天然が一番だって、皆が思ってるって事よ」
「うぅぅぅ・・・私の一大決心が・・・」


昨日の事が心配で、イン達を引き連れて美術科の教室に向かったシンは、チェギョンのクラスから突然大爆笑が聞こえ、イン達と顔を見合わせた。

「美術科って、いつもこんななのか?」
「騒がしいのはいつもだけど、今日は特別賑やかだよね。シン、幼馴染に会いに来たんでしょ?早く行こうよ」
「・・・ああ」

(この騒ぎの中、チェギョンを呼び出すのか?!絶対にチェギョン、絶叫して怒鳴るよな・・・)

シンが二の足を踏んでいると、お気楽ギョンがチェギョンのクラスの扉を開けた。
周りの生徒たちが睨みつけているのも気にせず、ギョンは教室内にズカズカと入っていった。

「あ~~、見っけ♪シンの幼馴染って君でしょ?」
「えっ!?」
「ちょっとアンタ、ここをどこだと思ってるの?前に言ったわよね?空気の読めなくて、お頭が可哀想って・・・周りを見てみなさいよ」

ギョンは周りを見渡し、思わず下を向いてしまった。

「イ・ガンヒョン、すまない。チェギョンに用があって、俺が連れて来たんだ。チェギョン、ちょっと良いか?」
「あっ、うん・・・」
「ちょっと殿下、それは授業より大事な事なのね?先生が、殿下の後ろで困ってるんですけど?」
「えっ・・・先生、申し訳ない。シン・チェギョンさんに話があります。少しの時間、チェギョンさんをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「あ、はい。どうぞ。シン・チェギョン、行っていいぞ」
「先生、本当にスイマセン。シン君、昨日の事でしょ?行こう」
「ああ。クラスの皆さん、お騒がせして申し訳なかった。ギョン、お前も謝れ」

ギョンがペコリと頭を下げて教室から逃げ出すと、シンはチェギョンと手を繋ぐと教室を出て行った。
その直後、教室からまたしても生徒たちの絶叫する声が、廊下まで響いた。

(美術科って、本当に騒がしいんだな。俺、慣れそうにない・・・)

シンとチェギョンは手を繋いだまま、シン専用の部屋にイン達3人と入った。
ソファーに座るや否や、インがシンに詰め寄った。

「シン、俺たちまでここに連れて来た理由は何だ?」
「・・・お前たちに聞きたいことがあったからだ。チェギョン、あの後、どうなった?」
「私が家を出てくる時は、まだ寝ておられたわ。ずっと不安で眠れずにいたみたい。アッパとオンマが、仕事を休むから後は任せなさいって・・・だから登校してきたの」
「進展せずか・・・」
「どういう事だ?まさか、まだヒョリンが見つかってないのか?」
「あっ、うん。おば様、一人で抱えきれなくなって、昨日、私を訪ねてこられたんだ。で、家に泊まってもらったの」

ヒョリンが行方不明という事実を初めて知ったギョンとファンは、ビックリしていた。

「多分、アッパが付いていって、宮が調べた情報を持って警察に捜索願を出すと思う」
「・・・だな。犯罪に手を染めていたら、案外早く見つかるかもな」
「シン君!!」
「事実だろうが・・・お前たち、ヒョリンのことで何か気になることとか、思い出したことはないか?」
「あ、あのさ・・・僕、この間、ヒョリン見たよ」
「「「どこで(だ)??!」」」
「えっと狎鴎亭(アックジョン)のロデオ通りにあるオープンカフェでお茶してたよ。道路の反対側の店だったし、関わりたくないから無視したんだけど、ブランド物の紙袋を横の椅子に置いてたよ」
「チェギョン、お義父さんに電話してやれ」
「うん」

チェギョンが家に電話をしている横で、シンはイン達にコン内官がした話を聞かせた。
話を聞いたイン達は、かなりショックを受けたようで呆然としていた。

「チェギョン、お義父さん、どうだって?」
「うん、それがね・・・捜索願は出すけど、宮からの情報は提出したくないっておば様が言ってるんだって」
「はぁ?」
「おば様の気持ちも分からないわけじゃないから、根気よく説得するってアッパが言ってた。見つかったと同時に警察に拘束なんて、ショックだろうしね」
「・・・おばさん、これからどうするんだ?住むところもないんだろう?」
「それは、大丈夫。うちが責任もって預かるって、アッパが昨日言ってた。幸い施設が無事に戻ったし、そこで働きながら住んでもらうって」
「そっか・・・何の関係もないシン家に負担を掛けさせてゴメン」
「そんなの宮も一緒でしょ?最初におば様に声かけたの私だし、まぁ乗りかかった船っていうか。困っている人を見捨てるわけにはいかないじゃない」

イン、ギョン、ファンは、ヒョリンに携帯を壊されたにも関わらず、その母親に手を差しのべるチェギョンの優しさとシンの両親の懐の深さに感動してしまった。
特にギョンは感極まって、チェギョンの手を両手でギュッと握った。

「・・・何かチェギョンってマリア様みたいだ。。。俺、惚れそう・・・」
「「ギョン!!」」
「へ?シン、イン、どうしたんだ?」
「クスクス、ギョン、チェギョンの手、離した方が良いんじゃない?シンの顔、見てごらんよ」
「えっ!?あっ・・・」

ファンの指摘でシンの顔を見たギョンは、慌ててチェギョンから離れた。

「ひょっとして、シン。そういう事なのか?」
「クククッ、ギョン、俺はシンに『見るな。チェギョンが穢れる』って言われたぞ」
「///イン!!」
「///シン君、何てことを・・・・恥ずかしい・・・」
「いいだろ?事実なんだから・・・」

恥ずかしがるチェギョンの肩を抱くと、シンは頬にチュッとポッポした。

「「「///シン!!」」」
「何だ?チェギョンは、昔から俺のもんだと決まってるんだ。誰にも文句は言わせない」
「いや、そう言う意味じゃなくて・・・人前でベタベタするなって、俺らは言いたいわけ」
「・・・ねぇ、スルーしてあげたいけど、できそうにないんだけど・・・昔から俺のもんってどういう事?本当に幼馴染なだけなの?」
「・・・チェギョン、いいか?こいつらには、ちゃんと言っておきたい。また誤解されると困るからな」
「///うん・・・」
「俺たちは許嫁の仲だ。5歳の時に俺が先帝に頼んで、許嫁になってもらった」
「「「えっ~~~!!」」」
「それから俺たちの罰掃除が済んだら、婚約を発表する。だから、お前らも性根を据えてトイレ掃除してくれ。俺の人生が掛ってるんだからな」

(おい、シン・・・トイレ掃除ごときに人生を掛けるなよな。でも迷惑もかけたことだし、トイレ、ピカピカにしてやるよ)



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