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Channel: ゆうちゃんの日記
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イ・シンの評価 第34話

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シンとチェギョンは、シンが周りに理解を求めたため、校内で毎日楽しく過ごせるようになった。
もうシンは、クラスメートに解けこめた今、学校生活が楽しくて仕方なかった。

「なぁシン、お前、キャラ変わり過ぎてないか?」
「そうか?オンオフの切り替えができるようになったんだと思う」
「・・・オンのシンっていつさ?最近見てないけど・・・」
「ファン、煩いんだよ。大体、学校でオンになるわけないだろ」

(宮では、ちゃんと皇太子してんだよ!皇太后さまの誕生日パーティーの参加者のプロフィール、覚えるのに必死だし・・・)

課題の写真を撮ろうと校内をブラブラしていると、ジフがシンに向かって手招きしているのに気がついた。

「俺、ヒマでさぁ・・・」
「はぁ?俺、これでも授業中なんですけど・・・」
「ブラブラしてたじゃん。そんなに可愛くないこといってると、あげないよ?」
「何をですか?」
「女除けの虎の巻カッコ皇太后さまの祝賀パーティー編カッコ閉じる」
「会話中に使う人、初めてですよ。カッコとかカッコ閉じるって・・・ください。お願いします」
「ん、これ。誰にも見せちゃダメだよ。特にチェギョンとガンヒョン。俺ら、口利いてもらえなくなるし・・・」
「はい?」

シンは、その場でパラパラと見ると、思わずジフの顔を凝視してしまった。

「こ、これ・・・マジっすか?」
「言っとくけど俺じゃないよ。ウビンとイジョン。今度、俺も参加するじゃん?で、俺もターゲットになる可能性もあるからさ事前準備した。アジョシに頼んで、コンちゃんからリストもらって、ウビンに調べてもらった。俺、アイツらと兄弟になる気ないし。シン君もアプローチされたら、上手に活用しな」
「ありがとうございます」
「ん。じゃ授業に戻りな」
「はい」

シンは授業に戻らず、校舎の屋上に向かい、貰った書類をじっくりと読みだした。
書類には、年頃の娘や親類縁者がいる参加者のプロフィールに加え、不正の疑惑から娘達の素行まで詳細に載っていた。

(宮の上辺だけのプロフィールと全然違うし・・・ん?最後の・・・ブハッ、あの人たち、絶対におかしいって)

  ユン・ソギョン  元韓国大統領  腹上死は老人男性の夢だと豪語。常にバイアグラを持ち歩いているが
                        使った様子はない

  ユン・ジフ スアム文化財団理事 かなりおかしい叔父に育てられ、性格が歪む 
                        女性には潔癖だが、一度火が付くと想像を絶すると思われる

  シン・チェギョン            ユン・ソギョンの孫
                            父が変人ゆえ頭のネジが、かなり弛んでいる。あの父の娘にしては、
                       まだマシに育ったと思わざるを得ない。男性経験なし


パーティー当日。
チェギョンは、祖父のソギョンとジフと一緒にパーティー会場の迎賓館の大広間にいた。

「うわっ、すごい人だね」
「チェギョン、儂かジフ、必ずどちらかと一緒にいなさい」
「うん。迷子になったら困るもんね。それにしても綺麗なお姉さん多いね。オッパ、一緒にいてあげようか?」
「う~ん、とりあえず爺さんと一緒にいな。俺、挨拶あるし・・・後で迎えにいくからさ」
「分かった」

チェギョンは、ソギョンに付いてまわり、ソギョンの顔見知りと談笑して、パーティー開始を待っていた。
周囲の人たちに注目されていることに全く気付くこともなく、チェギョンはにこやかに談笑していた。
その光景をジフは、少し離れた所から肩を震わせて笑っていた。

(アイツ、誰と話してるのか絶対に分かってないし・・・周りの視線も気づいてないみたい。ホントあそこまで鈍感だと幸せだよね)

時間になり、大広間の脇の扉から皇帝陛下、皇后陛下が現れ、次いで皇太后とエスコートしたシンが現れた。
皇帝によるパーティー開始の挨拶があり、次に皇太后が参加者に向かって話しかけた。

「今日は、私の為に集まってくれてありがとう。この1年、何事もなく元気に過ごせた事を嬉しく思います。太子も高等部の2年になり、次の誕生日で成年皇族の仲間入りをする歳になった。これよりは陛下を支え、この宮を盛り上げていってくれるであろう。この歳になると、変化がない日々が幸せなのだと言う者がおるが、これからも新しい事に挑戦し、日々楽しんでいきたいと思う。今日は、大いに楽しんでいってほしい」

皇太后の挨拶のあとは、乾杯の時間だったが、乾杯の音頭をとるのは、先程まで談笑していたお爺さんで、チェギョンは驚いてしまった。

(え~~、王族会最長老さまって・・・お爺ちゃま、そんな偉い人と知り合いなわけ?普通に話しちゃったじゃん)

歓談の時間になり、チェギョンはソギョンと一緒に皇太后に祝辞を述べるため、皇太后の元に向かった。

「皇太后さま、お誕生日おめでとうございます。今日は、お招きいただきましてありがとうございます。スアム文化財団のユン・ソギョンでございます。そして隣におりますのが、外孫のシン・チェギョンでございます。チェギョンもご挨拶なさい」
「はい。皇太后さま、シン・チェギョンでございます。お誕生日、おめでとうございます」
「クスッ、チェギョン、よう来てくれた。太子と仲良くしてくれ嬉しく思っておる。これからもよろしゅうな」
「はい、皇太后さま」

皇太后の周りにいた者たちは、皇太后に向かってニコニコ笑っているチェギョンを信じられない思いで見つめた。
またその2人を見守っている陛下と皇后も笑顔を絶やさない。

「チェギョン、可愛いな。凄く似合ってる」
「///ありがとう」
「太子、ここはいいから、チェギョンとゆっくり楽しんできなさい」
「はい、陛下。行こう、チェギョン」

シンがチェギョンをエスコートし、壇上を降りると、場内からどよめきが起こった。
シンは、チェギョンを空いたテーブルの所に連れて行き、傍にいたチェ尚宮にジュースを頼んだ。
そしてジュースを飲みながらいつものように話しだし、シンに近づきたい令嬢たちはイライラするだけだった。

「オッパ、どこ行ったんだろうね?」
「きっと会場のどこかで、令嬢達に捕まってるんじゃないか?俺、チェギョンがいてマジ助かったよ」
「クスクス、今日はシン君の女除けなのね。オッパで慣れてるから任せて♪」
「頼もしいけど、一体どれだけ連れまわされてんだよ?」
「高校入ってから、月1回は必ずあるかな?でも午前中のパーティーは初めて。いつもと違うかも・・・」
「そう?園遊会とかになると、もっと雰囲気違うぞ。女性は韓服の方が多い。ていうか、今日も皇太后さま主催なら、普通韓服着てくるだろ?アイツら、どんな躾されてるんだ?!」
「コラコラ、シン君も主催者側なんだからお口チャック!・・・キャッ」

チェギョンは、背後からぶつかられて思わずシンに抱きついてしまった。

「チェギョン!大丈夫か?」
「も、申し訳ありません。お召物にジュースを・・・・」
「えっ!?あちゃ~・・・シン君、どうしよう」
『殿下、失礼いたします。チェギョンさま、お召物の着替えを用意してございます。どうぞ控室にご案内いたします』
「あ、はい。ちょっと行ってくるね」
「あ、ああ。チェ尚宮、宜しく頼む」

シンがチェギョンの後姿を見送っていると、粗相した女性の手首を掴んで揉めているジフが目に入った。

「ジフさん、どうしました?」
「この女ね、チェギョンが退場したら、振り返ってニッコリ笑いながらVサインしたんだよね」
「えっ・・・!じゃ、態と?」
「多分ね」
「態とじゃありません。言いがかりは止めてください」
「じゃあ聞かせて。ジュースのグラスを持って、どこに行こうとしたのさ?」
「えっ!?」
「ジュースの置いてあるのはあそこ。で、あんたが戻ろうとしてたのは、全くの別方向だよね?」
「それは・・・」
「大体、あんな粗相をして、名前も名乗らないっておかしいでしょ。普通、名乗って後でクリーニング代請求してくださいぐらい言うよね?どこのお嬢様か知らないけど、常識ないんじゃないの?」
「・・・・・」
「シン」
「ユル!」

呼ばれた方向に振りかえると、ユルがビデオカメラを手に近づいてきた。

「映像科じゃないから、上手に撮れなかったかも・・・でもしっかり証拠は撮れたよ。はい、これ」
「ユル君、サンキュ。一緒に来てたの?」
「はい。パーティーの裏側に潜入大作戦だそうです。アジョシ曰く、ヤン建設のご令嬢らしいですよ」

名前を言い当てられた令嬢は、顔色を変えて震えだした。
ビデオカメラには、態とぶつかりに来るところから、ニッコリ笑ってVサインしている所までしっかりと映っていた。

「コン内官、いるか?」
「この令嬢とその友人をつまみ出し、どこかに軟禁しておけ。宮主催のパーティーでの愚行、断じて許せない」
「かしこまりました」
「ヨボセヨ、俺。ヤン建設って知ってる?そこの娘が、ジュンピョが見立てたチェギョンの韓服に態とジュース溢して、Vサインしたんだよね。俺、ムカつくんだけど・・・うん、頼むね」
「・・・ジフさん、今、誰に電話したんですか?もしかして・・・」
「うん、ジュンピョ。あとね、この人、エスカレーターで王立学園大通ってる。理事長仲間として、王立の理事長に話しするつもり。品格を保つ素晴らしいご教育ですねって褒めておくね。クスクス」
「ジフさん・・・怖すぎなんですけど?」
「クス、俺なんて可愛い方だと思うよ。多分、今頃、ヤン建設倒産危機に陥ってる筈だし・・・」
「「「!!!」」」
「ねぇ、ファッション誌や漫画ばかり見ないで、新聞や経済紙も読もうよ。もう遅いけどさ。コンちゃん、どうぞ連れてって。この人の共犯も分かったら教えてね♪」

シンにコンタクトを取ろうと近くにいた人たちは、シンが仲良く話してた女性がユン・ソギョン元大統領の孫だと今更ながらに気づいた。

「シン君、ユル君、皇太后さまの元に連れて行ってあげなよ」
「いや、僕は今日はアジョシの助手ですから・・・」
「クスッ、もうすぐチェギョンが出てくる。面白い余興があるから、皇太后さまの近くに行ってな」
「「へ?はい」ユル、行こう」

シンは、ユルを皇太后さまの元に連れていくと、陛下の横に並んで立った。

「シン、何やらあったみたいだな」
「はい、チェギョンが態とジュースを掛けられて、今、着替えに行ってます」
「何!?」
「掛けた令嬢とその友人は、別室にて軟禁しました。パーティー後、尋問します」
「分かった。私も立ち会おう」
「お願いします。ですが、社会的制裁はすでにジフさんがしたので、処分は本人のみでお願いします」
「は?クククッ・・・流石、スアムの姫君だな。シン、怒らせるなよ。宮が潰れるからな」
「陛下、全然笑えないですから・・・」
「しかしユルはいつ来たんだ?」
「さっきアジョシの助手と言ってたので、アジョシもどこかにいるのかもしれないですね」
「ん?彼は欠席の返事を貰っていたのだが・・・」

(アジョシ、暗行御吏に1日限定で復活したか?ああ見えて、チェギョン溺愛親父だもんな)

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