イ・シンの評価 第35話
シンが陛下と話している所に最長老がやってきた。「最長老殿、お疲れ様です」「陛下、この度はおめでとうございます。皇太后さまは、益々ご健勝のようでお喜び申し上げます」「ありがとうございます」「殿下も、お久しぶりでございます」「ご無沙汰しております」「パーティーが始まる前、ユン・ソギョン殿と孫にシン・チェギョン嬢とお話をいたしました。明るくて可愛いお嬢さんですな。皇太后さまより話は伺っております。殿下のお...
View Articleイ・シンの評価 第36話
宮は、公式ホームページで、皇太后の誕生日祝賀パーティーの様子を数枚の写真と共に公表した。その写真の幾つかにチェギョンが映っており、国民は勿論、マスコミもチェギョンに話題が集中してしまった。週刊誌には、『皇太子妃内定?』や『宮公認のイ・シン殿下の彼女か?』など、様々な見出しが付けられ、購買意欲を掻き立てた。中には、パーティーの参加者がシンとチェギョンの様子を証言した記事もあり、宮は対応を迫られた。「ハ...
View Articleイ・シンの評価 第37話
いつものように昼休み、皆で中庭で弁当を食べていると、チェギョンのスマホにジフからのLINEが入った。≪シン君とユル君と3人で来い!≫「げっ、シン君、ユル君、召集が掛った。3人で来いって」シンとユルは顔を見合わせると立ちあがり、チェギョンと共に理事長室に向かった。いつもの部屋に入ると、すでに3人の鞄が置いてあるのを見て、このまま早退することが分かった。「オッパ、早退って、家に帰るだけ?」「いや、チェギ...
View Articleイ・シンの評価 第38話
チェギョンと言えば、何時間もかけて全身エステを受け、すっかりリラックスしていた。隣でエステを受けていたジュンピョの恋人ジャンディは、チェギョンがあまりにも呑気にしているので感心していた。「流石、スアムの姫君だね」「へ?オンニ、どういうこと?」「だって今日のパーティーで、正式に社交界デビューするんでしょ?」「は?何それ?」「えっ、知らなかったの?今日、正式にスアム文化財団の令嬢として出席するって聞いた...
View Articleイ・シンの評価 第40話
パーティー終了まで居る気がなかったジフ達は、報道陣の作る花道を再び通ってホテルを後にした。チェギョンは、緊張が解けた所為かしばらくすると、ジフに凭れかかってウトウトし出した。その寝顔を見ながら微笑むジフの顔には、愛しさと寂しさが入り混じっていた。しかしすぐに頭を切り替え、目の前に迫っている問題について今すべき事を考え始めた。ク邸に着くと、ジフは寝ているチェギョンを抱き上げ、シンがいるだろう客用のリビ...
View Articleイ・シンの評価 第41話
早朝6時、インターフォンが鳴り、玄関を開けると思っていた人物ではなく、見知らぬ少年が立っていた。「おはようございます」「ああ?」「親父に言われて、迎えに来ました。親父からの伝言です。『ファイル、返して』だそうです」真面目な口調で、父親の口真似をする少年が、チェウォンの息子だとやっと理解できたチュンハだった。「ククッ、親父に似てるな・・・ちょっと待て」チュンハがパク内官の日誌を持って玄関に向かうと、少...
View Articleイ・シンの評価 第42話
賑やかな朝食が終わり、チェギョンは後片付けをすると、宿題があるからと車を呼んでさっさと帰ってしまった。シンが寂しそうに見送っていると、チェウォン達は再び肩を震わせて笑っていた。「お前ら、笑うな!今日は、1日中一緒にいられると思ったのに・・・」「シン、どれだけ宮を空けるつもりだよ!?」「///クククッ、坊主、諦めろ!もう少し家族で過ごす時間をくれって・・・」「えっ!?」「ああ、チュンハ。シンはチェギョ...
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ドタバタした週末が終わり、いつもの平穏な学校生活が送るつもりだったが、ジフは理事長室で溜め息を吐いていた。(ハァ、勘弁してよね・・・これ、絶対俺だけじゃないし・・・)ジフは、最近登録したシンにLINEを送った。≪至急、コンちゃんに来てもらって!!でないと、退学にするよ≫送った数分後、授業中にもかかわらずシンから電話の着信がきた。「なに?」「何じゃないでしょ。一体、何があったんですか?」「ちょっと相談...
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理事長室に戻った後、ジフは、映像科の3人に教室にある自分の写真、美術科の3人にはスケッチブックを持ってくるように指示した。そしてコン内官には、チェギョンとガンヒョンの満点の答案を渡し、残りの採点を頼んだ。チェギョン達が戻ってくると、ジフは理事長室の隣にある防音室に連れていった。「チェギョン、指ならしね」「へ?」「面接時、音楽科志望の学生たちの前で弾いてもらう」「何でよ」「さっき最低ラインは、この6人...
View Articleイ・シンの評価 第45話
コン内官は、陛下に報告をした後、もう一度宮を出ていかせてほしいと願い出た。「実はユン・ジフ殿が、王立の教授陣の腐敗の理由をシン・チェウォン氏がご存じのような事を仰っていましたので、お伺いし聞きに行ってまいります」「是非、聞いてきてくれ」コン内官は、スマホを手に取るとたまに掛ってくるウォンのナンバーをタップした。「コンちゃ~ん、どうしたの?ひょっとして俺が恋しくなっちゃった?」「ウォン・・・ハァ・・恋...
View Articleイ・シンの評価 第46話
その後、王族の圧力に負けた大学の学長や教授たちの解任、圧力をかけた王族の処罰が決定したが、宮は新学長の選任に頭を悩ますことになった。陛下も最長老と毎日顔を突き合わせて相談するも...
View Articleイ・シンの評価 第47話
教育実習が始まり、映像科に一人、美術科に一人、実習生がやってきた。2人とも明るく、熱心に指導するので、生徒たちの間では兄や姉のように慕われるようになっていた。ジフは、それでも気になるのか、今までしなかった校内の見回りを頻繁にしていた。(う~ん、大きい問題はなさそうだよね。でも2人とも何か気になるんだよねぇ~・・・何なんだろう?)訝しく思っているのは、ジフだけではなかった。シンとユル、そしてガンヒョン...
View Articleイ・シンの評価 第48話
生徒たちの撮影風景をにこやかに見ていた教生ハン・ジョンジェは、突然見知らぬ男性から声を掛けられて驚いた。「驚かせちゃった?ゴメンねぇ~。実習はどう?君にとって有意義な時間かな?」「えっ、あ、あの・・・?」「ああ、俺?俺ね、ここの理事長の叔父。見込みのありそうな教生が入ったって言うからさ、敵情視察?」「敵情視察と言う事は、どこか芸術系の学校の先生なんですか?」「ううん、韓国史の教授♪」「はぁ?」「クス...
View Articleイ・シンの評価 第49話
教育実習生の件が何事もなく解決し、実習期間が終わる前日、イギリスからチュンハが帰ってきた。チェウォンは、チェヨンの家を管理を頼むとチュンハに住まいを提供した。そしてやっと重い腰を上げた。翌日、チェウォンは、朝から大忙しだった。秘密の通路から宮へ潜入し、慈慶殿へ向かうと、最高尚宮と打ち合わせをする。「ウォン、隠れても無駄じゃ。何をチョンとコソコソしておる」「あはは、パクおばさん、お邪魔しています。チョ...
View Articleイ・シンの評価 第50話
亡くなった息子の隠し子との対面以降、皇太后はお忍びで忙しく動き回っていた。まずハン尚宮の案内で、ハン流通グループ会長宅に訪れ感謝と謝罪をし、イ・ミョンイ元女官の墓参りに行った。そしてユルが住んでいるマンションを見に行ったり、チェウォンが住んでるユン邸にもお邪魔し、噂の≪面白ネタ帳≫を読ませてもらった。挙句の果てにファヨンを皇籍から黙って抜いてしまった。それまで何も聞かず、黙って見守っていた陛下と皇后...
View Articleイ・シンの評価 第51話
宮が抱えていた問題が片付き、拝観休日の日、朝の挨拶の時、シンのスマホにLINEが入った。≪午前9時に勤政殿前に集合!水筒・懐中電灯持参≫「陛下、9時に勤政殿前に集合だそうです。持ち物は水筒と懐中電灯だそうです。プククク・・・」「ホホホ・・・ヒョンが水筒を斜め掛けにして遠足ですか?フフフ・・・」「///母上、斜め掛けなどしません!しかし集合場所が宮廷内とは・・・」「陛下も太子も早く戻って、朝食を摂っ...
View Articleイ・シンの評価 第52話
大騒ぎの後、チェウォン達一行が帰り、シンがシャワーを浴びた直後、チェギョンが宮にやってきた。「チェギョン!ちょうど今、チェギョンに電話しようと思ってたところだったんだ」「うん。チェジュンが、シン君が待ってるから行ってきたらって言ってくれてね。だから、来ちゃった。へへへ」「誰かに送ってもらったのか?」「うん。オッパの家のSPのアジョシに送ってもらった。アッパもチェジュンも泥だらけでさぁ。外で何やってん...
View Articleイ・シンの評価 第53話
夏季休暇に入り、それぞれが忙しい日々となった。ユルは、マンションでチェウォンによる集中講座を受け、シンは公務と慰問に執務、そしてその合間にや講義を受ける。チェギョンはといえば、儒教学者の祖父と韓国史教授の父からしっかり学んでおり、四書五経や宮の歴史などは訓育担当のチェ尚宮より詳しい程で、漢字の読み方や皇后と刺繍を楽しんだり、皇太后とお茶をしながら女性皇族の在り方を学んだり、毎日宮に来るものの楽しく過...
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