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Channel: ゆうちゃんの日記
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ショック

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実習時間、シン達御曹司4人組は、校舎の木陰に座り、何をするでもなくただ授業をサボっていた。
しばらくすると男子生徒数人が、シン達が死角となる木陰で腰を下ろしたようだった。

A「おい、大丈夫か?ここでちょっと休めよ。しっかしボーっとして壁に激突するって、ダサいなぁ」
B「・・・面目ない」
A「でもよぉ、初めて妃殿下を近くで見たけど可愛かったな。それに気さくだし優しいし、ありゃモテただろうな」
C「当然だろ。中学の時、ファンクラブがあったぐらいモテてたよ。なのに何で殿下は、ミン・ヒョリンと今も付き合ってるのかなぁ?趣味、悪すぎね?」

聞いていたインが怒鳴りこみそうな勢いだったが、シンが無言で止めた。

D「俺もそう思う。前にさぁ、ヒョリンと廊下で肩がぶつかった事があるんだ。その時、汚いものを見るような目で俺を睨んだ後、『シ~ン♪』だぞ。マジ、何だアイツと思ったもん。殿下たちは、あんな女のどこが良いんだろうな?」
A「ゲロゲロ・・・でもさぁナイスボディだし、オルチャンじゃん」
C「お前、本当に映像科か?ありゃスレンダーって言うんだ。筋肉美や芸術的観点から見ると良いけど、女性らしさに欠ける体型だぜ?ありゃ体脂肪率一ケタじゃねぇの?断然、チェギョンの方がナイスボディだ。男除けでジャージ履いてるけどさ、アイツの脚、白くてすっごく綺麗なんだぜ」
B「うん、さっきそう思った。モデルになってほしいなって見てたら、壁にぶつかったんだ」
D「お、お前、それで鼻血まで出したのか?それ、ダサ過ぎだろ!?」
B「///仕方ないだろ!体操服姿で、目の前であんな風にニッコリ笑われたら、お前でも絶対出すって」
D「確かに良い笑顔だったよな。偏見かもしれないけど、俺、ヒョリンの笑った顔、見たことないぜ。ニッコリ笑ってる姿なんて想像もできない」
A「クールなんじゃねぇの?」
C「お前、分かってないねぇ。ヒョリン程度の美人なんて世の中掃いて捨てるほどいるけど、チェギョンのように周りを幸せにする笑顔ができる奴は少ねぇんだ」
B「うん、うちの婆ちゃんが、妃殿下は若かりし頃の皇太后さまに雰囲気が似てるって言ってた。皇太后さまも笑顔の素敵な気さくな人だったんだって。正直、カン・イン達の美的センスを疑うよね」

イン達は、悪口を言われているにも関わらず、余りにもショックすぎて動けなかった。

D「もうぶっちゃけて言うけど、俺の彼女、舞踊科じゃん。ヒョリンって、クラスメートから煙たがられてる。協調性もないし、自分は殿下の恋人だって周りを見下してるから、ボッチくんらしいぜ。舞台って皆で作り上げるもんだろ?でも輪に入ろうとしないから、いつも公演は名ばかりの代役かソロなんだってさ」
A「それ聞いたら、俺もパスだな。同姓から嫌われる女は勘弁。殿下達の前では、きっと猫被ってんだろうな」
C「止めろ!想像したくねぇ。あの白目がちの目と低い声で甘えられても俺は無理だ。そう思うと殿下って、すげぇな」
D「人の好みも色々だしな。彼女いるけど、妃殿下のあの大きな目で『お願い♡』なんて言われたら、『はい、喜んで♪』って絶対に言うな」
C「ククッ、思い出した。中学ん時、ガンヒョンとチェギョンがクラスを纏めてたんだけど、ホント飴と鞭でさぁ。絶妙のコンビだった。きっと今も美術科はそうなんじゃないの?」
A「・・・じゃあさ話を戻すけど、殿下たちはヒョリンのどこに魅力を感じてると思う?」
B「僕は、全く分からない。ミン・ヒョリンに人としての魅力を感じたことがない」
C「信じたくないけど、家柄とかじゃないよな?どっかの社長の娘なんだろ?」
D「・・・あのさぁ彼女が、違うんじゃないかって言ってた。舞踊科には結構令嬢がいて、全員送迎付きで登下校してるけど、ヒョリンは毎日カン・インが送迎してるだろ?深窓の令嬢が、毎日男の助手席に乗るわけがないって断言してた」
A「言われてみればそうかも・・・いくら殿下の友人でも毎日って・・・それで殿下の恋人ってあり得なくね?」
B「でもチャン・ギョンが、『シン、ヒョリンが来たぜ』ってよく言ってるよ。ホント、どうなんだろ?」
D「俺、ずっと思ってたんだ。既婚者である一国の皇太子に愛人を宛がう御曹司達って、マスコミに漏れたら大変だろうなって。あれだけ派手に行動してたら、その内絶対に記事になると思う」
B「うん、そうだよね。数年前まで姦通罪が適用してた国の皇太子が不倫って、凄いスキャンダルになるよね。何か心配・・・」
C「ここだけの話、これ以上チェギョンが泣くようなことがあったら、中学の仲間達で動くつもり。ダチの父親が新聞社に勤めてんだ。アジョシに相談する。だから今、みんなで証拠集めしてるんだ。殿下が休みの日、御曹司とヒョリン、態々美術科に行って、『庶民のお前よりヒョリンの方が、シンには相応しい。シンの為に早く別れてやれ』とか言ってるらしい」
A「アイツら、最っ低だな。皇太子妃に向かって、一体何様なんだよ・・・そういうことなら、映像科の連中全員協力するんじゃね?俺、皆に声かけてくるよ」

Aが走り去った足音がした。
シンは話の途中からイン達3人を睨み続け、イン達は気まずそうに視線を逸らせていた。

B「なぁ、証拠集めまでは良いけど、マスコミに相談するのはちょっと待ってくれないか?」
C「何でだよ?」
B「僕が、爺ちゃんと父さんに相談するから。黙ってたけど、僕の家、代々宮家に仕える家なんだ。婆ちゃんも昔、今の皇太后さま付きの女官だったんだ」
D「え~~~!!!」
B「当たり前だけど、学校はプライベートだから今まで一度も報告した事ないよ。爺ちゃん、殿下が大好きなんだ。『殿下は無口で不器用な人だから、誤解を受けやすい。だからいざという時は、殿下を守ってほしい』って、爺ちゃんに頼まれたんだ。今回が、そのいざって時だと思う。だからミン・ヒョリンの件は、宮が解決する」
C「・・・信じていいんだな?」
B「うん。爺ちゃん、妃宮さまのことも大好きなんだ。だから絶対に妃宮さまが泣かれるようなことにはしない。御曹司だろうが令嬢だろうが、この国の女性NO3に暴言を吐いたなら、それだけでも不敬罪に問われて投獄できる。証拠は、今日中に手に入る?」
C「ああ、チェギョンの親友のガンヒョンがスマホで録音したって聞いた。この後、すぐに話して貰ってくるわ」
B「じゃ、お願い。受け取り次第、早退するから・・・」
D「そろそろ授業も終わるし、俺たちも教室に戻ろうぜ。でもさぁ、代々宮に仕える家の人間が、妃殿下の生脚見て鼻血はマズイんじゃない?殿下に知られたら、不敬罪かも・・・」
B「///お願いだから、誰にも言わないで。爺ちゃんにバレたら、マジで殺されるから・・・」

3人が立ち去った後、シンは睨みつけたまま無言で立ち上がった。

「「「シン!!」」」
「・・・・・」
「なぁ俺達、大丈夫だよな?」
「何が?」
「だって俺達、シンとヒョリンの為にやったんだぞ。なのに罰せられるなんて、あり得ないだろう?」
「・・・俺は、ヒョリンとは何の関係もない。お前達と同じ友人だと否定した筈だが?」
「「「えっ!?」」だって、ヒョリンが大学卒業したら結婚する約束をしたのにって・・・だから俺達、無理やり引き裂かれたとんだと思って・・・」
「で、お前達は俺の話よりヒョリンの嘘を信じたわけだ。友人だと思ってたのに残念だ・・・2人きりで会ったことも手を繋いだころもない奴と結婚の約束?!一昔前の見合いじゃあるまいし・・・」
「ウソ・・・夜にドライブして、車でHしたりするって・・・それもヒョリンの嘘か?」
「・・・ドライブしても護衛の車が付いてくる。なのに車で淫らな行為なんて、見っともなくてできるか!アイツらじゃないが、ヒョリンで欲情した事は一度もない。ハッキリ言って萎える。」
「「「・・・シン・・・」」」
「追って宮から申し渡しがあると思う。今から覚悟しておくんだな」
「「「・・・・・」」」
「最後に聞くが、俺のチェギョンを見て鼻血出したムッツリは誰だ?」
「・・・多分、あの声は、クラス委員のコン・セジュンだと思う」

それを聞いて、シンはコン内官の顔が浮かんだ。

(まさかコン内官も毎日、エロい目でチェギョンを見てるんじゃないだろうな。変態エロジジイめ・・・)

シンは徐にスマホを取り出すと、どこかに連絡を入れ始めた。

「一つ聞くが、妃宮はジャージを履かずに体育をしているのか?・・・ではすまないが、妃宮を今すぐ特別室に連れて来てくれ・・・そうだ。体操服のままで今すぐに来いと言ってくれ。お仕置きしてやる」
「「「へっ?・・・」」シン、お仕置きって・・・まさか・・・」
「まさかって何だ?毎晩、新妻を抱いて何が悪いんだ?あんなグラドル級の体を目の前にして我慢できるほど俺は聖人君子じゃないぞ。皇太子だろうが、俺もハンチャンテな10代なんだ。ああ、言っておくが、俺はアイツしか知らないから・・・俺からの最期の忠告だ。お前ら、人を見る目をもっと養ったほうが良いぞ。じゃ、抱いてくる」

シンが立ち去った後も イン、ギョン、ファンは呆然と座ったまま動けなかった。
今、聞いたこと全てがショックだった。
ヒョリンが嘘を付いていたこと、またその嘘を信じてしまって窮地に陥っていること、そして自分達の審美眼を疑われていること、人を見る目の無いと周りから笑われていること、何よりもシンが結婚して毎晩新妻と愛し合い、学校でもサカッていることが信じられなかった。

「・・・大丈夫か?」
「・・うん、何とか・・・でも人生終わった感がヒシヒシと・・・」
「はぁ・・・今までも蔭では笑われてたんだろうな・・・俺ら、完全にピエロか裸の王様だったって訳だ」
「だな・・・・はぁ、殴られるの覚悟で親父に懺悔しに帰るとするか」
「はぁ・・・帰るとするか・・・」

溜め息ばかりで、なかなか腰を上げる勇気がない3人だった。




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