隣でグッタリとしているチェギョンを見て、シンは自分の暴走ぶりに苦笑してしまった。
最初は、怖がらせないように何度も【愛してる】と囁いていたシンだが、触れたときに気づいていたはずなのにいざその幼い秘所を目にすると、下半身に血が集まりだし、理性をかなぐり捨ててむしゃぶりつき、がっついてしまった。
(参った・・・すべてが俺のツボだし・・・前にギョンにロリコンなのかと言われてムカついたけど、これじゃあ、俺、否定できそうにない。。。)
「チェギョン、大丈夫か?」
「///うん・・・何とか・・・」
「俺だけ気持ちいいのは悪いと思って頑張ったんだけど、どうだった?最後の方は、気持ち良くなってたよな?」
「///そんなこと聞かないで!」
「・・・ゴメン。なぁ、動けそうか?」
「無理・・・」
「だよな・・・俺もちょっと辛いかも・・・」
窓から吹いてくる風が当たり、全身にかいた汗が引いてきて、気持ちいい。
シンとチェギョンがベッドでまったりしていると、開け放たれたリビングとの間のドアの影から、声を掛けられた。
「殿下、落ち着かれましたでしょうか?」
「えっ!?ぱ、パン翊衛士か?」
「はい、さようでございます。4時までに宮にお戻りになるようにと私に連絡がございました。そろそろお帰りの準備をお願いします」
「///分かった。パン翊衛士、俺が服着るまでちょっと待っててくれ。呼んだら、クローゼットからチェギョンの服を出してやって。チェギョンも宮に連れ帰る」
「えっ!?何で、私まで・・・・?」
「このまま俺一人帰って、ヤリ逃げみたいに思われても困るからな。初めて愛し合った日ぐらい一緒にいよう」
「///オンニがいるのに 恥ずかしすぎる・・・」
「開き直れ!」
「ギャ~!急に立ち上がって、そんなもの見せないで!」
「ハァ?今さら・・・」
シンはパンツと制服の下だけ穿くと、チェギョンの上にシーツを被せ、パン翊衛士を呼んだ。
恥ずかしいのか、チェギョンはシーツを頭から被ってしまっている。
(現場を目撃されてんだし、今さら誤魔化せないよな・・・)
パン翊衛士は、部屋に入る前にシンをリビングの方に呼び出した。
「殿下、避妊されましたか?」
「///・・・してない」
「殿下、私も一応、主人も子どももいますので、気になさらずとも結構です。では、チェギョンが下着を穿く前に ご自分の出したモノをティッシュかタオルでキレイに拭いてさしあげてください。これは、男性の仕事です」
「わ、分かった。あとは?」
「特には・・・ただ回数を重ねますと、男性は自分本位なセックスになりがちです。いつまでも初心を忘れず、愛してあげてください。これは、口には出せないですが、多くの女性が不満に思っている事だそうです」
「・・・パン翊衛士も?」
「うちはまだ新婚ですので、ご心配していただかなくても結構です。では、お着替えを用意します」
(・・・パン翊衛士、真面目な顔して・・・クククッ・・・)
クローゼットから着替えを出して、部屋を出て行こうとするパン翊衛士を、シンは慌てて呼び止めた。
「パン翊衛士、こいつの下着ってこんなのしかないのか?」
「はい。探してみましたが、スポーツブラお一つとショーツは、おそらくレオタード用のものだと思いますが、この種類しかございませんでした」
「マジか・・・すまない、制服も持って帰る。袋に詰めてやって」
「かしこまりました」
パン翊衛士が部屋を出ていくと、シンはパン翊衛士の言われた通り、綺麗に始末して、まだ動けそうもないチェギョンに服を着せてやった。
そして自分もワイシャツと上着に袖を通すと、チェギョンをひょいと抱き上げた。
「パン翊衛士、待たせた。すまないが、戸締りを頼む。行こうか」
「かしこまりました」
後部座席に乗り込むと、パン翊衛士は宮に向けて、車を走らせた。
「チェギョン、ソウルの夏は暑いでしょ?だからって、冷たいものばかり飲んでたら、夏バテしてしまうわよ」
「うん。それは、分かってるんだけど・・・」
「夏は、反対に熱いものや辛い物を食べて、汗をかいて、暑さを吹き飛ばすのよ」
「は~い」
「それから、薄着をしたいなら、世の男性に犯罪を犯させないためにもブラジャーをするかニップレスを貼りなさい。分かった?」
「さっきシン君にも言われたんだけど、やっぱりしないとダメ?」
「ダメ!チェギョン、最近のブラはすごく良いのよ。正しいつけ方をすれば、待望の谷間ができるわよ」
「えっ!?ホント?」
「ホント!チェ尚宮さまなら、チェギョンも聞きやすいでしょ?今日、付け方を教えてもらったら?」
「うん♪そうする~。オンニ、ありがとう」
パン翊衛士は、バックミラーでシンと目を合わすと、パチンとウインクをした。
(パン翊衛士、有難いけど、一体いつから俺たちの話を聞いてたんだ?流石に俺でも恥ずかしいぞ・・・)
東宮玄関に車を乗りつけると、パン翊衛士は一緒に降りてきて、シンの横に立った?
「ん?何か?」
「一つ、言い忘れておりました。部屋に戻られましたら、上着のポケットをご確認ください」
「・・・分かった」
「では、私はこれで失礼いたします。チェギョン、明日も迎えに来るから、ここで待っててね」
「は~い。オンニ、ありがとう」
シンはチェギョンを抱っこして東宮殿に戻ると、チェギョンをバスルームに押し込み、直ぐにチェ尚宮を呼んだ。
「///チェ尚宮、チェギョン用の下着は用意してあるのか?」
「クスクス、はい、用意してございます」
「そうか・・・すまないが、もう数組、マンション用に買い足してやってほしい。アイツ、持ってなくてビックリした。それからブラのつけ方を教えてやってくれ。アイツ、谷間に憧れてるらしい」
「クスクス、かしこまりました」
「俺もシャワー浴びてから、執務に入る。今日は、ここで執務をするから、必要書類を持ってくるようコン内官に頼んでほしい。じゃあ、頼む」
私室に戻り、制服の上着のポケットに手を入れてみると、小さな箱とメッセージが書いた紙切れが入っていた。
【我が家は当分必要ございませんので、うちのストックですが遠慮なくお使いください。殿下、避妊は男性の義務です!儒教の国でのデキ婚は、女性が肩身の狭い想いをしますよ。経験者は語るです】
(プッ・・・パン翊衛士、面白すぎ・・・でもあの真面目そうなハン内官が・・・ダメ、俺、腹イタイ。。。)
クローゼットの中で、一人大爆笑するシンだった。