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Channel: ゆうちゃんの日記
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改訂版 開眼 第17話

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ユルと話した翌日から、ファンが変わった。
毎日、参考書や問題集を持つと美術科に日参し、ユルやガンヒョンに教えを乞うた。
シンはというと、ファンの付き添いで美術科に足を向けるも 口出すことはなく見守ることに徹した。
 
「シン、どうかした?」
「・・・休みか?」
「あ、うん。微熱だけど、大事をとって休んだみたいだね」
「・・・ファン、用事を思い出した。宮に戻る」
「へ?あっ、うん・・・また明日ね」
 
ファンが呆気にとられてシンを見送っていると、ユルがクスクスと笑いだした。
 
「ねぇ、今の話、誰が休んでるの?」
「ガンヒョンの親友。君の友達が怪我をさせた子、チェギョンだよ」
「えっ!?シン、その子と面識あるの?僕、初め謝ろうとして美術科に来たんだけど、ガンヒョンに怒鳴られて、すっかり忘れてた。シンも言ってくれればいいのに・・・」
「クスクス、きっとファンに紹介したくなかったんじゃないの?」
「それって・・・」
 
ユルは意味ありげに笑っていたが、少し考え事をすると、ファンを自宅へと誘った。
 
「えっ!?ユルの家って、シン会長の家だよね?」
「う~ん、正確に言えば、僕は、シン家の母屋の裏側にあるシン家所有のマンションに住んでる。そのマンションって、シンコンツェルンの中枢があるビルなんだよね。ファン、興味ない?」
「ある!!」
「じゃあ、一緒に帰ろうよ。これで、きっとファンの疑問が全部解けると思うよ」
「???」
「善は急げという事で、ファン、迎えの車呼んで♪」
 
訳が分からぬまま、ファンは家から迎えの車を呼ぶと、ユルを乗せてシン家のマンションへと向かった。
マンション前に着くと、車を帰し、ファンは改めてマンションを見上げた。
 
(見た目、普通のマンションなんだけど・・・ここが、本当にシンコンツェルンの本拠地なのか?)
 
ボーっと見上げていると、突然後ろから声を掛けられ、振り向くとチェジュンが立っていた。
 
「チェジュンも早退してきたんだね。お帰り」
「ただいま。親父から帰宅命令がきたんだ。ユルヒョン、どういう事?」 
「面白いものが見られるよって、連れて帰ってきた。クスッ、そこ見てごらんよ」
 
ユルが指さす方向を見ると、1台の自転車があった。
 
「げっ、マジ?ヒョンも早退したのか?ユルヒョンが、余計な事を吹き込むからだぞ」
「アイツに自転車の手配をしたのはチェジュンだろ?僕だけの所為じゃないと思うけど?クスクス・・・」
「ハァ、親父、もう感ずいてるよな・・・立ち話も何だから、とりあえずユルヒョンの部屋に行こう」
 
3人でエレベーターに乗ると、ユルは3階のボタンを押した。
 
「ここって、部屋数ワンフロアに3部屋で計6部屋しかないんだ。で、僕は、3階の1室に住んでる」
「1階は、親父の趣味の部屋というか仕事部屋。緊急を要する来客は、ここで対応してる。決して、母屋にはビジネス関係の人は入れない。リュ・ファン、今日はユルヒョンの友人に徹するんだな」
「あっ、うん」
 
ユルの住む部屋に通されたファンは、あまりの広さに驚いた。
ユルが着替えにウォークインクローゼットに消えると、窓際に立っていたチェジュンがファンを手招きした。
 
「この下に見える敷地が、俺んちの母屋」
「えっ!?すごく広いんだね。あそこのハウスや畑もそうなの?」
「祖父さんが、先帝の爺さんから貰った土地らしいぜ。畑は、親父が作ってんだよ。基本、専業主夫だからな」
「・・・それ、シンにも聞いたけど本当なの?」
「親父は、家には絶対にビジネスを持ち込まない。オンマやヌナの前では、いい夫、いいアッパでいたいらしい。俺には、厳しいけどな」
「ヌナ?チェジュン、お姉さんいるの?」
「・・・ユルヒョン、こいつ、まだ知らないのか?」
「クスクス、うん。だから、連れて来た」
「ハァ、やっと親父が、リュ電子の社長を呼び出したのか分かった。あんた、思考力・判断力なさすぎ・・・これじゃ、いくら勉強しても無理だわ」
「えっ!?」
「クスッ、チェジュン、出てきたよ。あれ、見せてあげたら?」
 
ユルが窓から母屋の庭を見ていることに気づいたファンは、自分も庭に視線を移した。
 
「えっ!?シ、シン?!それに あれはガンヒョンの親友のチェギョン!?どうして?」
「ホント、バカだよな。祖父さんがシン・チェヨン、親父がシン・チェウォンで、俺がシン・チェジュン。で、シン・チェギョンときたら、普通、関係があると疑うのが普通だろ?」
「あっ・・・!!」
「これで分かったか?シンコンツェルンや宮が、チャン・ギョンの愚行に過敏に反応した理由がさ」
 
(ギョンは、知らず知らずにシンコンツェルンに喧嘩を売った形になってたんだ。。。よく考えたら、父さんたちが干されなかったことは奇跡に近いんじゃ・・・)
 
呆然と立ちすくんでいたファンが我に返った時には、すでにチェジュンの姿はなく、横でユルがクスクス笑っていた。
 
「ファン、あれ、見てごらんよ。母屋から死角になる場所に連れ込んだと思ったら、ほら・・・」
「えっ!!!」
 
ファンが見た光景は、シンがチェギョンを抱きしめ、顔中にキスを落としている姿だった。
 
「あ、あれ、本当に僕が知っているシン?」
「クスクス、僕は帰国してから、あのシンしか見たことがないけど?毎晩、忍び込んではチェギョンに会いに来てるよ」
「じゃ、さっきのあの自転車・・・」
「そう。僕が亡くなった父上に教えてもらった秘密の出入り口をシンに教えたら、毎晩来るようになっちゃってさ。でも考えたら、皇太子が独り歩きなんて危険だろ?だから、チェジュンが自転車を用意したのさ」
「・・・ユル、あの二人って・・・」
「ふふふ、内緒。知りたかったら、直接本人に聞けば?」
 
しばらくシンとチェギョンを見ていたファンとユルだが、突然、ユルがポツリと漏らした。
 
「ファン・・・チェジュンは、今、宮の問題に携わっていて、事業の方にはタッチしてないんだ。そのチェジュンをアジョシが呼び戻したなら、宮で何か起こったのかもしれないね」
「えっ!?」
「・・・さぁ、僕らもシンをからかいに母屋に行こうか」
「あっ、うん・・・」
 
(何でもない風を装ってるけど、ユル、大丈夫なのか?シンも・・・それにしてもチェギョンが、シンコンツェルンの令嬢だったとは・・・それもシンと仲が良いなんて。。。それより急に僕が行って、大丈夫なのか?親父に害が及ばなければ良いんだけど・・・)
 
 
 
 
 
 

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